これからの働き方と「しごとのみらい」vol.04

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

私どもの機関誌「Monthly」では、竹内義晴氏より、これからの働き方に関するコラムを毎月、ご寄稿いただいております。本日はその原稿をご紹介いたします。

 

しごとのみらい

職場の一体感を醸成したいなら「旅行以上、研修未満」の研修型社員旅行

「社員旅行にいい思い出、ありますか?」

もしあなたが、職場づくりに関わっていらっしゃったら、「職場のコミュニケーションをよくしたい」「一体感を醸成したい」と思ったことはありませんか? その1つの手段として、社員旅行をお考えになったことがあるかもしれません。

(中略)

「「社員旅行以上、社員研修未満」の研修型旅行」

私の意見では、これからの社員旅行は、かつての「週末に行く、単に懇親が目的の旅行」ではなく、仕事として「行く目的」がちゃんとあり、かつ「親睦が深められる」ような内容がいいのではないかと思っています。仕事ですから、当然「業務」です。

事例をお話します。私はいま、妙高でしごとのみらいという、職場づくりやコミュニケーションを改善する研修や講演を行っているNPO法人を経営しながら、サイボウズという東京のIT企業でも働いています。妙高と東京を行き来する中で、以前から「新潟のすばらしい自然や文化を活かした研修はできないか」とずっと考えてきました。そこで、サイボウズの社員に向けて、そばの収穫やそば打ち体験などを組み合わせた「農作業キャンプ」を企画。実施したところ「そばの収穫では目的を共有したときに自然と役割分担できた」「そば打ち体験は人生初で、農作業も普段なかなかできない体験だった」「自然に触れることで癒され、非日常感を味わえた」など、「チームワークの学びにもなり、楽しくもある」と参加者からも好評でした。

また、2020年6月から、妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会にも所属し、妙高市のワーケーション事業の立ち上げを行っていますが、職場の人間関係を改善するコミュニケーション研修と、メンタル面で癒し効果がある「森林セラピー」を組み合わせたプログラムでは、「思った以上に癒された」「チームビルディングにもよさそう」といった声が届きました。また、コロナ禍でテレワークを強いられている都市部の企業に向けて、テレワーク時のテキストコミュニケーションのセミナーと、不足しがちな「リアルなコミュニケーション」を補うためにそば打ち体験をセットにしたプログラムを企画。「テレワークでコミュニケーションが減っていたが、共同体験が思いのほかよかった」といった声が届きました。


「社員旅行にも「意味づけ」をする」

このような、「社員旅行以上、社員研修未満」の研修型旅行であれば、社員にとっては「業務として」行く目的が明確になりますし、企業にとっても単なる福利厚生ではなく、費用負担する意味が生まれます。また、コロナ禍の状況にもよりますが、夕食時に懇親会を行えば、親睦を深めることもできます。

「学びもあるし、親睦も深められる」「企業にとっても社員にとってもうれしい」――このような学びと親睦がデザインされた形が、これからの社員旅行だと思うのです。



竹内義晴. これからの働き方と「しごとのみらい」. Monthly. 2021, 8月号, pp.28-29.

感想

3密を避けるなど、感染対策を徹底することは極めて大切なことですが、その反面、社内や社外の関係者とのコミュニケーションが以前のようには取りにくい、といったもどかしさを感じている人もいらっしゃると思います。

したがって、感染が収束した際には、竹内氏がご紹介されたような「意味づけ」された社員旅行や各種の体験旅行がコミュニケーションの向上や心身のリフレッシュを求める人の間で、拡がっていくのではないでしょうか。