これからの働き方と「しごとのみらい」vol.03

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

私どもの機関誌「Monthly」では、竹内義晴氏より、これからの働き方に関するコラムを毎月、ご寄稿いただいております。本日はその原稿をご紹介いたします。

 

仕事の未来

多様な働き方で変わり始める「地方企業の人材採用」のあり方

「拡がる働き方の変化」

2020年からはじまったコロナ禍を受けて、メディアなどで「テレワーク」という言葉を見聞きする機会が増えました。

新潟にいると、身の回りでテレワークをしている人はあまりみかけませんし、「テレワーク、テレワークっていうけれど、実際にやっている人なんているのかな?」という気もしなくはありませんよね。

一方で、都市部で働く知人や企業の方々とオンライン会議を行うと、「在宅から接続している」という方がことのほか多いことに驚きます。社内のミーティングだけではなく「会社対会社」のような、オフィシャルな会議でもそうであることを考えると、働き方は少しずつ、でも確実に変わってきているようです。

(中略)

幸いなことに、都市部に比べると新潟は、新型コロナウイルス感染症の拡がりが少ないため、テレワークは必要ないのかもしれません。しかし、こういった「働き方の変化」を敏感に感じ取っておくことは、企業を経営する上で、特に、今後の人材採用を考える上でとても大切なのではないかと思っています。なぜなら、「多様な働き方ができるか否か」が、転職者や新入社員の入社動機に影響を与え始めているからです。

「多様な働き方が入社先選びに与える影響」

オンラインで学んだ学生たちが就職先を考えるとき、多様な働き方ができる会社と、そうでない会社のどちらを選ぶかを考えたら、このような結果になることは容易に想像できます。今後の、転職者や新入社員の採用を考えると、多様な働き方の環境整備は無視できないといっていいでしょう。

コロナ禍を多様な働き方ができる会社にする機会にコロナ禍でのテレワークを「一時の」「緊急対応」と見ていると、「そのうち元に戻るだろう」という見立てになります。その結果、「テレワークなど多様な働き方ができるようにしよう」とはなりません。

しかし、転職者や新入社員が入社先を選ぶ選考基準は、確実に変化しています。いま、多様な働き方の環境整備を進めると、地方では難しい人材採用にも有効でしょうし、今まで出会うことのなかった人材と出会う可能性も高まります。

たとえば、先月号の本連載で『新潟と都市部を「副業・兼業」でつなぐ仕組みづくり』と題し、新潟の企業と都市部の人材を副業・兼業でつなぐ試みについてお話しました。私の地元妙高市では、2021年4月より地域の企業と都市部人材を、副業・兼業を通じてマッチングする取り組みをはじめており、先日、その仕組みを作るチームのメンバーを「基本テレワークで、月に1回程度来訪」という形で2名募集しました。その結果、40名近い応募がありました。

応募いただいたみなさまは、いわゆる「労働条件で」「働く場所を探している」というよりも、「地域に貢献したいという想いがあり」「高いスキルを持っていて」「前向きな気持ちで関わりたい」と思っている方々ばかり。新潟県内はもちろん、関東をはじめ県外からも多くの応募がありました。「仕事を通じて地域に関わりたい人が想像以上に多いんだな」「場所や時間の制約がなくなると、優秀な方々と出会うことができるんだな」ということを改めて実感しました。これは、都市部の大企業の話ではなく、妙高市の小さな法人の話です。もちろん、 みなさんの企業でもその可能性があります。 

とはいえ、「うちの会社の業務は、テレワークでは無理」とお考えの方もいらっしゃると思います。でも、多くの時間をPCの前で過ごす業務もあるはず。すべては無理でも、一部分でもかまいません。コロナ禍を「働き方の変化の機会」と捉え、多様な働き方ができるように準備しておくと、今まで難しかった「地方企業の人材採用」のあり方が変わるのです。


竹内義晴. これからの働き方と「しごとのみらい」. Monthly. 2021, 7月号, pp.24-25.

感想

業種・職種によってテレワークの実施率に差が出るのは当然です。

その一方で、これからの地方での人材採用・人材確保を勘案すると、コロナ禍でのテレワークを「多様な働き方を用意する」機会、あるいはオンライン化で効率化を進めるチャンスと捉えて、前向きに取り組んでいくとも重要であると実感しました。

特に、竹内氏のおっしゃると通り、業務全てと構えるのではなく、できる部分を探してみることから始めると、案外、スムーズに導入できるのかもしれません。