宿泊とイベントのデータを確認するには?~V-RESASの追加データ~

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

先日、内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公開した「 V-RESAS 」の使い方についてご説明いたしました。

その後、「宿泊」と「イベント」のデータが追加されましたので、本日は「 V-RESAS 」 の新しい機能についてご紹介したいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル

宿泊のデータ

まずは、新しく追加されたデータの一つである「宿泊」を確認してみましょう。

1.地域を選択

以前に投稿した「V-RESASの使い方」で解説したとおり、「V-RESAS」にアクセスした後、まずは「地域を選択」するところから始めます。具体的には、下の図のとおり、トップページの最上部にある「地域を選択」の▼印を左クリックします。

地域を選択

出典:「V-RESAS」

次いで、プルダウンメニューから、確認したい都道府県を左クリックします。ここでは私たちの会社のある「新潟県」を選択しました。その後、メニューバー(グローバルメニュー)の「宿泊」をクリックしてください。

宿泊のメニューバー出典:「V-RESAS」

2.データ概要

「宿泊」は「観光予報プラットフォーム推進協議会」が保有するデータが活用されています。具体的には、旅行会社の店頭・国内ネット販売・外国語予約サイトなどの販売実績などをもとにしており、2019年で1億3,000万泊を超えるデータであると説明されています。

なお、単純には比較できないため、あくまでも参考程度となりますが、観光庁「宿泊統計」によると、全国の延べ宿泊者数(2019年)は約5億9,592万人となっていることから、「観光予報プラットフォーム推進協議会」のデータは延べ宿泊者数全体の約2割程度をカバーしていると推計されます。

3. 宿泊者の分類の前年同月比の推移

「地域」と「宿泊」を選択していれば、自動的に以下のようなグラフが表示されていると思われます。

新潟県・宿泊データ

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

宿泊者の分類が重なり少し見えにくいのでが、新潟県全体の宿泊者数は少雪の影響もあり、1月、2月とも前年を1割ほど下回って推移していたことが確認できます。

さらに3月に入ると、新型ウイルスの影響から急速に宿泊者数が減少した様子がうかがわれます。特に営業自粛があった4月、5月は前年比100%近くの減少となっています。ただし、6月そして7月と、徐々に回復している様子がうかがわれます。もっとも水準としては低いままにあり、宿泊業界にとっては厳しい状況が続いているものと思われます。

なお、「観光客が多く訪れる都道府県は?延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2019年)」の投稿でお伝えした通り、全国1位の宿泊者数を誇る東京都をみると、3月~5月までは新潟県と同様な傾向となっていますが、6月と7月は新潟県に比べ回復状況は鈍いようです。

東京都・宿泊データ

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

なお、以下の図のとおり都道府県全体から、さらに細かな地域別でも把握できます。

新潟県・新潟市・宿泊データ

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

4.予約代表者の居住地ごとの前年同月比の推移

さらに下にスクロールすると、「予約代表者の居住地ごと」の宿泊者数のグラフも確認できます。これは都道府県内と都道府県外に分けて宿泊者数の推移が表示されています(予約代表者の居住地ごと)。

下のグラフのとおり、新潟県では3月以降、県内外ともに減少していましたが、6月以降は県内客による増加から上昇していることが分かります。新型ウイルスの感染がやや収まりかけた時期であるとともに、県内自治体でおこなわれた各種の宿泊割引キャンペーンの効果、また7月後半にはGo To トラベル事業が始まったことも寄与しているものとみられます。

新潟県・県内外・宿泊データ

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

上記のグラフも都道府県全体から、さらに細かな地域別で把握できるようになっています。例えば新潟県の佐渡地域では2月単月では県内・県外客とも前年を上回っていたことが確認できます。また、3月以降は減少に転じ、6月に入っても回復の兆候はみらず、7月に入ってから回復に向かい始めたことが分かります。

佐渡・宿泊データ

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

イベントのデータ

さらに下にスクロールすると、チケット販売数のデータにより「イベント」の現状が確認できます。

1.データの概要

「イベント」は、1年間に約7,500万枚(平常時)のチケットを発券するオンラインチケット販売システム「チケットぴあ」の販売実績データが活用されています

同社のオンラインチケット販売システムには、平常時、音楽・演劇・スポーツ・映画およびレジャーなどの全国約2万件のイベントが登録されており、年間で約7,500万枚のチケットが発券されているそうです。このうち音楽(ポップスやクラシックなど)とステージ(演劇・伝統芸能・お笑いなど)を対象としたデータが掲載されています。

2. イベントごとの前年同月比の推移

「地域」を選択した後、メニューバー(グローバルメニュー)の「イベント」をクリックしてください。すると、選択した地域が属するブロックごとにグラフが表示されます。新潟県は富山県、石川県、福井県と一緒の北陸ブロックに該当しています。

V-RESAS・イベント

出典:「V-RESAS」および ぴあ株式会社

下のグラフをみると、新潟県のイベントチケット販売数は他の北陸3県に比べて、1月~2月までは順調に推移していたことが確認できます。ただし、3月に入ってからはイベントの開催中止・延期などが相次ぎ、他県と同様に大きな打撃を受けていることが分かります。

新潟・イベントデータ

出典:「V-RESAS」および ぴあ株式会社

3.ジャンル別の販売数

下の図のとおり、北陸3県を合わせたブロックごとで、ジャンル比較もできるようです。

北陸・イベントデータ

出典:「V-RESAS」および ぴあ株式会社

1月~2月までは音楽・ステージとも概ね順調な販売状況となっていたものの、3月以降は音楽もステージも急速に減少したことが確認できます。

感想

下の図のとおり、人の流れをみると、5月を底に6月以降、緩やかに回復している様子が確認できますが、「宿泊」と「イベント」については、なお極めて厳しい状況にあることが理解できました。

新潟県内では新型ウイルスの感染者数が増加しており、県独自の「注意報」が発令されていることから、「宿泊」と「イベント」については、当面、本格的な回復には程遠い状況が続くことが懸念されます。

新潟・居住地移動データ

出典:「V-RESAS」および株式会社Agoop「流動人口データ」