V-RESASからみる新潟県の景気動向(2021年4~5月:サービス業を中心とした個人消費)

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

新型ウイルスの感染者数が新潟県内でも高止まりしています。こうした中、新潟県内の人の流れや消費の動きはどのような状況になっているのでしょうか。

本日は、内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公開している「 V-RESAS 」をもとに、新潟県内における滞在人口の動向やサービス業を中心とした消費動向(2021年4~5月)を確認したいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル、V-RESAS

※V-RESASについては、V-RESASのウェブサイト内の「このサイトについて」および当ブログの「V-RESASの使い方」をご参照ください。

人流…移動人口の動向

まずは「人」の動きから確認してみましょう。

下のグラフで示されている滞在人口とはスマートフォンの特定のアプリケーションから、ユーザの同意を得た上で GPSデータを取得し、滞在人口を推定したデータです。 なお、滞在人口は「平均して滞在していると推定される換算人口数」と明記されており、2019年同週からの変化率で表しています。

滞在人口

滞在人口の推移

新潟県全体の滞在人口をみると、4都府県に緊急事態宣言が発出された4月下旬以降、 新潟県内では青色の 「市区町村内」の滞在者数が上昇傾向をたどる一方、濃紺の「都道府県内」の滞在者数は上下に振れながらも2019年比マイナスで推移しています。

したがって、新潟県内では「市区町村間」をまたぐような移動が抑えられていることがうかがわれます。特にゴールデンウィーク中とみられる5月第1週は青色の 「市区町村内」が大きく上昇しているのが目立っています。

一方、灰色の「都道府県外」は1月を底に緩やかに上昇していましたが、緊急事態宣言が発出された4月下旬以降、大幅に低下していることが確認できます。

POSで見る売上高動向

新潟県内では外出が抑えられていることが確認できましたが、続いて、消費の動向も把握したいと思います。

ナウキャスト、株式会社日本経済新聞社「日経CPINow」から提供を受け、V-RESASが公表している「新潟県のPOSで見る売上高動向」をみると、新潟県内の売上は堅調に推移しています。なお、この指数はスーパー・GMSのPOSレジにより集計された売上高指数であり、飲食料品のほか、家庭用品、身の回り品などが含まれたものです。そのため、購入頻度の比較的高い最寄品などでは巣ごもり需要を反映して、着実に売上を伸ばしているようです。

飲食…飲食店情報の閲覧数

続いて、サービス消費について確認してみます。まずは「飲食」の動きを確認します。

下のグラフで示した「飲食店情報の閲覧数」とは月間利用者数4,000万人の「Retty」が保有するデータから、飲食店を利用しようとする人の動向を把握するものです。なお、閲覧数であることから、実際に飲食店に行くタイミングよりも、やや先行するデータである可能性があります。

飲食店

飲食店の閲覧数

新潟県全体の「飲食店情報の閲覧数」をみると、和食・中華・洋食・ファミレス・ファストフード・カフェ・居酒屋・バーなどを含めた「すべてのジャンル」の閲覧数は2月以降、低位横ばいで推移していましたが、4月下旬から一段と落ち込み、5月第1週は2019年比約半減と極めて低い水準となっています。

特に「居酒屋・バー」と「鍋料理」で大幅なマイナスが続いています。

宿泊…宿泊者数の動向

最後に「宿泊」の動きを確認してみましょう。

「宿泊者数」は「観光予報プラットフォーム推進協議会」が保有するデータ――具体的には、旅行会社の店頭・国内ネット販売・外国語予約サイトなどの販売実績などをもとにしています。なお、単純には比較できないため、あくまでも参考程度となりますが、観光庁「宿泊統計」の延べ宿泊者数と比較すると、本データは延べ宿泊者数全体の約2割程度をカバーしている計算となります。

宿泊者数

宿泊者数の推移

新潟県全体の「宿泊者数」をみると、1月を底に緩やかに回復していましたが、4月位に入ってからは大きく低下しています。県外客を中心に低迷が続いているとみられます。

感想

全国的な感染者数の増加に加えて、緊急事態宣言が発出されたこともあり、外出が抑制され、新潟県内のサービス消費は低迷が続いています。一方、住居から比較的近いスーパー等での消費は堅調に推移していることがうかがわれました。

新潟県内の感染者数をみると、徐々に落ち着きをみせ始めていますが、なお警戒が必要なレベルにあることから、当面、滞在人口と個人消費は慎重な動きが続くとみられます。

感染者数

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注:

グラフについては、「パワーポイントの品質と生産性を向上させるデザイン・テンプレート(https://ppt.design4u.jp/template/)」を加工して作成いたしました。また、下記の宮城 信一 (2019年)『「デザイン」の力で人を動かす!プレゼン資料作成「超」授業 プレゼン上手に明日からなれる』SBクリエイティブ も参考とさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。グラフやPowerPointを作成する際にデザイン面で悩まれている方には、とても良いアドバイスが記載されています。