新型ウイルスが生活に与える影響についてアンケート調査をもとに確認(2020年9月)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

先日、当センターで実施した「新型ウイルスが生活に与える影響」に関するアンケート調査の結果の一部をご紹介しました。このアンケートでは、回答していただいた方々からご意見を自由に記述していただく自由解答欄を設けています。本日は、自由回答でお答えいただいた声を「テキストマイニング」と呼ばれる方法で可視化することで新型ウイルスの影響で県内消費者の生活がどのように変化しているかについて分析した結果をご紹介します。

 

「新型ウイルスが生活に与える影響」に関するアンケート調査の概要

当センターでは2020年11月末に「『新型ウイルスが生活に与える影響』に関するアンケート調査」の結果を公表しました。この調査はインターネット調査会社に登録しているモニターのうち、新潟県内の勤労者世帯400人に対し、2020年9月中旬から下旬にかけて、アンケート調査を行なったものです。

参考までにその結果をみると、新型ウイルスにより低下した消費水準を元に戻すのに時間を要すると考える回答の割合が高くなるなど、影響の長期化を予想する見方が多いことが示されました。また、「衛生的である」といったキャッシュレス決済の特徴が大きく注目されていることに加え、外出自粛に伴って買い物を自宅でのネットショッピングに切り替える動きが続いていること を背景に、キャッシュレス決済の利用傾向が強まっていることがうかがえる内容となっています。詳しくは 「『新型ウイルスが生活に与える影響』に関するアンケート調査」 をご覧ください。

なお、当調査では、「新型ウイルスの影響によって生活などで変化したことはありますか?」 という問いに対して自由回答形式で尋ねた質問があります。その分析結果¹を以下に詳しくご紹介したいと思います。

上記の「新型ウイルスの影響によって生活などで変化したことはありますか?」
という質問に対して記載された自由回答の記述をみると、最も多く用いられた語は「マスク」という語であり、以下「外出」「決済」「キャッシュレス」「増える」「消毒」「行く(行かない等を含む)」などが続いています。新型ウイルスの影響により、「外出そのものをしなくなった」といった行動制限や「マスクの着用、手指の消毒」など感染予防への取り組みのほか、「キャッシュレス決済が増えた」といった行動の変化を挙げる回答が多くなっていることが実際の自由回答の原文から確認できます。

※ワードクラウドで表示。ワードクラウドとは、出現数の数の多さを、単語の大きさで表現・図式化したものです。

より詳しい内容を確認するために、記載された自由回答について出現パターンが互いに似通っていた語の組み合わせを示すと、下の共起ネットワークの図(最小出現数6回以上、出現回数の上位50位以上)となります。

※大きな円ほど出現数が多く、太い線ほど関係が強いこと表しています。

図をみると、中心にある黄色グループのように「外出する際はマスクを着用するようになった」「外出や外食を控えている」など外出を自粛している、また外出するときにはマスクを着用するといった感染予防に関する行動をあげる意見が多くなっていることが自由回答の記述から確認できます。

また、同様に左下のオレンジ色のグループをみると、「店ではキャッシュレス決済を利用するようになった」との種類の記述が多いことのほか、下の紫色のグループのように「買い物はネットで行なうことが増えた」といった声も多くみられ、ネットショッピングやキャッシュレス決済の利用頻度が増加したことが確認できます。こうしたことから、新型ウイルスの影響の影響によって消費者の買い物する際の決済手段や買い物自体のスタイルが変化したことがうかがえます。

上にある緑色のグループをみると、「帰宅後は手洗いするよう徹底している」「店舗に入るときにはアルコール消毒液を探すようになった」といった基本的な感染予防策を徹底しているといった記述も多くみられました。そのほか、右側の赤い色のグループでは「人混みを避けるようにしている」、その下のピンク色のグループでは「ソーシャルディスタンスを意識して行動するようになった」といった声など、密を避ける行動をしていることがうかがえました。

まとめ

上記のようにアンケート調査の自由回答を分析することで、新型ウイルスの影響によって実際に消費者の行動・意識がどのように変化しているのかがより理解できたと感じました。行動や意識の変化などは先入観やイメージでとらえてしまいがちですが、内容をしっかり確認し分析することでより深く消費者行動の現状の把握に努めていきたいと思います。

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今回の分析にあたっては、「KH Coder」を使用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

参考にしたWebsiteは次のとおりです。

  • KH Coder のWebsite https://khcoder.net/ (2020年6月9日アクセス)

併せて、以下の書籍も参考にさせていただきました。

  • 樋口耕一,2020,『社会調査のための計量テキスト分析【第2版】』ナカニシヤ出版
  • 牛澤賢二,2018,『やってみようテキストマイニング』朝倉出版
  • 末吉美喜,2019,『テキストマイニング入門』オーム社

また、 ワードクラウドは 「E2D3」を使用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

参考にしたWebsite は次のとおりです。  

  • E2D3のWebsite https://e2d3.org/ (2020年6月9日アクセス)

なお、速報性を優先して、簡便に分析した結果となっているほか、分かりやすさに配慮して意訳しているところもあるため、取り扱いにはご注意ください。