新型ウイルスの影響により生活や働き方で具体的に変わった点(2021年4月)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

先日、当センターで実施した「新型ウイルスが生活や働き方に与える影響」に関する調査の結果の一部をご紹介しました。このアンケートでは、回答していただいた方々からご意見を自由に記述していただく自由解答欄を設けています。

本日は、自由回答でお答えいただいた声を「テキストマイニング」と呼ばれる方法で可視化することで新型ウイルスの影響で県内消費者の生活がどのように変化しているかについて分析した結果をご紹介します。

 

「新型ウイルスが生活や働き方に与える影響」に関する調査の概要

当センターでは2021年6月末に「新型ウイルスが生活や働き方に与える影響」に関する調査の結果を公表しました。この調査はインターネット調査会社に登録しているモニターのうち、新潟県内の勤労者世帯400人に対し、21年4月下旬にアンケート調査を行なったものです。

参考までにその結果をみると、「自宅で過ごす時間」が増加する一方、それに伴って「オンラインショッピング」や「動画配信サービス・サイト」「SNS」など自宅での生活を便利にする、あるいは自宅での時間を充実させるためのサービスをオンラインで利用する動きが広がっていることがみうけられました。

また、勤務先では「WEB会議」「オンラインの研修・セミナー受講」「テレワーク」などが増加し、業務のオンライン化の取り組みが進展していることが示されました。詳しくは 「新型ウイルスが生活や働き方に与える影響」に関する調査をご覧ください。

なお、当調査では、「新型ウイルスの影響によって以前と比べて変化した勤務形態や消費行動はありますか?」という問いに対して自由回答形式で尋ねた質問があります。その分析結果を以下に詳しくご紹介したいと思います。

自由回答の分析結果

上記の「新型ウイルスの影響によって以前と比べて変化した勤務形態や消費行動はありますか?」という質問に対して記載された自由回答の記述をみると、最も多く用いられた語は「増える」という語であり、以下「減る」「仕事」「時間」「買い物」「テレワーク」などが続いています。

新型ウイルスの影響により、「オンラインでの買い物が増えた」「外出の機会が減った」など感染対策の一環として自宅での行動が多くなったといった意見や「仕事が減った」「テレワークをしている」といった業務量や勤務形態など仕事面での変化をあげる回答が多くなっていることが実際の自由回答の原文から確認できます。

より詳しい内容を確認するために、記載された自由回答について出現パターンが互いに似通っていた語の組み合わせを示すと、下の共起ネットワークの図(最小出現数6回以上、出現回数の上位60位以上)となります。

※大きな円ほど出現数が多く、太い線ほど関係が強いこと表しています。

図をみると、下側にある緑色グループのように「手洗い、手指の消毒を徹底している」「感染対策として勤務時間に消毒作業を行なっている」など、具体的な感染対策をあげる声が多いことがうかがえます。また、「自宅での時間が多くなったため、買い物はオンラインで済ますことが増えた」「勤務先での打ち合わせはWeb会議が増えている」 などの回答も多くみられ、対面での応対を避けるため、プライベートでは買い物をオンラインに、勤務先では会議をWebでの開催に、といった自宅・職場の双方で従来の行動をオンライン化に切り替える動きも確認できます。

さらに、同様に中央左の黄色のグループをみると、「外食や外出の機会が減っている」など行動を抑制しているといった記述が多くみられました。また「仕事が減り、収入も減少した」「テレワークで外出をすることがさらに少なくなった」との種類の記述が多いことのほか、右上の紫色のグループのように「勤務形態や会議の形態が変わった」といった声も多くみられ、新型ウイルスの影響で勤務先の業績が悪化し業務量や収入面に変化が生じたほか、テレワークやWeb会議の導入により働き方自体が変化していることもうかがえます。

一方、右にある赤色のグループをみると、「人との接触を控えるようにしており、人混みや店の利用を避けている」といった記述も多くみられ、感染防止のために実店舗の利用を控える動きが続いていることがうかがえます。

加えて、上の青色のグループでは「マスクなど衛生用品を買わなければならなくなった」「毎日勤務先で検温をするようになった」といった声など、マスク着用という基本的な感染対策のほか、検温の実施など勤務先においても対策が徹底されていることが示されています。

まとめ

上記のようにアンケート調査の自由回答を分析することで、新型ウイルスの影響によって実際に生活や働き方がどのように変化しているのかがより理解できたと感じました。

自由回答の分析からも、消費者が引き続き外出を自粛していることや勤務先では消毒や密にならない対策などが実施されていることが多くあげられており、その結果、オンライン化の進展が進んでいることがうかがえました。

今後も内容をしっかり確認し分析することでより深く消費者行動の現状の把握に努めていきたいと思います。

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今回の分析にあたっては、「KH Coder」を使用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

参考にしたWebsiteは次のとおりです。

  • KH Coder のWebsite https://khcoder.net/ (2021年6月15日アクセス)

併せて、以下の書籍も参考にさせていただきました。

  • 樋口耕一,2020,『社会調査のための計量テキスト分析【第2版】』ナカニシヤ出版
  • 牛澤賢二,2018,『やってみようテキストマイニング』朝倉出版
  • 末吉美喜,2019,『テキストマイニング入門』オーム社

なお、速報性を優先して、簡便に分析した結果となっているほか、分かりやすさに配慮して意訳しているところもあるため、取り扱いにはご注意ください。