V-RESASの使い方

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が「 V-RESAS 」のWebsiteを6月30日に公開しました。

そこで、本日は「 V-RESAS 」 の概要や使い方などをお伝えしたいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル

V-RESAS の利用目的

「V-RESAS」 のWebsiteをみると、

地方公共団体や金融機関、商工団体等の皆様が、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を適時適切に把握することで、観光関連施設や生活基盤等の地域資源を維持し、感染症拡大の収束後に地域経済を再活性化させていくための施策の立案、遂行及び改善をするためにお使いいただけます。


出展:「V-RESAS」

と記載されています。

したがって、感染予防に努めながらも、地元経済を回していくための方策・アイデアを考える際の現状把握に活用できそうです。なお 原則、1週間程度の間隔で掲載データ等が更新されるようなので、速報性があり、この点も助かります。

V-RESAS の使い方

1.地域を選択

RESASのWebsiteと比べると、「V-RESAS」の操作は簡単なようです。

「V-RESAS」には「人流」のデータが1つ、「飲食」のデータが1つ、「消費」のデータが2つ搭載されています。

こうしたデータについて、地元経済の現状を把握するには、まずは下の図のとおり、トップページの最上部にある「地域を選択」の▼印を左クリックします。次いで、プルダウンメニューから、確認したい都道府県を左クリックします。ここでは私たちの会社のある「新潟県」を選択しました。

V-RESAS・地域設定1

出典:「V-RESAS」

なお、ページの最下部でも「地域を選択」できます。確認したい都道府県にマウス等をあてて、左クリックすれば良いようです。

V-RESAS・地域設定2

出典:「V-RESAS」

2. 人流:滞在人口の動向

滞在人口は、株式会社Agoopの「流動人口データ」をもとに集計されたデータです。これは、 スマートフォンの特定のアプリケーションから、ユーザの同意を得た上で GPSデータを取得し、滞在人口を推定したものです。 なお、滞在人口は「平均して滞在していると推定される換算人口数」と明記されています。

また、滞在人口は「市区町村内」「都道府県内」「都道府県外」の3つに分けられています。このうち、「市区町村内」とは「当該市区町村に滞在している人口のうち、推計居住地が同じ市区町村である人口」、「都道府県内」とは「当該市区町村に滞在している人口のうち、推計居住地が同じ都道府県内の他の市区町村である人口」、「都道府県外」とは「当該市区町村に滞在している人口のうち、推計居住地が他の都道府県である人口」と記載されています。

グラフについては、横軸が週ごと、縦軸が 滞在人口の前年同週比の動きを表しています。

V-RESAS・人流・1

出典:「V-RESAS」および株式会社Agoop「流動人口データ」

上のグラフをみると、新潟県の場合は、豪華客船の隔離などがおこなわれていた2月2週頃から「都道府県内」「都道府県外」とも概ね減少し始めているのが分かります。その後、「都道府県内」と「都道府県外」の滞在人口は ゴールデンウィーク前後の5月1~2週まで低下し、新潟県を含む39県で緊急事態宣言が解除された5月3~4週にかけて一旦、上向いたものの、6月に入ると、その反動もあってか再び停滞し始めています。一方、「市区町村内」は概ね緩やかに上昇しています。市外や県外への移動を控えていることによるものと思われます。

なお、東京都の直近の動きをみると、 「都道府県内」と「都道府県外」の滞在人口は 5月2週を底に上昇に転じ、6月に入っても緩やかな上昇傾向を維持しています。新潟県などとは異なる動きです。

V-RESAS・人流・2・東京都

出典:「V-RESAS」および株式会社Agoop「流動人口データ」

滞在人口については、幾つかの駅と7つの時間帯で、さらに絞り込んだデータも確認できます。

例えば、下の図のように、新潟駅の通勤時間帯(6:00~9:00)をみると、高校3年生等が大学受験期を迎える1月2週頃から減少し始め、 その後も「都道府県内」と「都道府県外」の滞在人口は低下傾向をたどっていることがうかがわれます。これに対して、「 市区町村内 」はゴールデンウィークを除くと、6月1週から増加に転じ始めています。

V-RESAS・人流・3・新潟県

出典:「V-RESAS」および株式会社Agoop「流動人口データ」

3. 飲食:飲食店情報の閲覧数

飲食店情報の閲覧数とは、月間利用者数4,000万人の「Retty」が保有するデータから、飲食店を利用しようとする人の動向を把握するものです。具体的には、飲食店ごとの情報を掲載したページに対する閲覧数(PV数)を 週毎に合計し、それを前年同週と比較したものです。すなわち、飲食店に行こうと考えている人が増えているのか、減っているのかを表しているのだと思われます。閲覧数であることから、実際に飲食店に行くタイミングよりも、やや先行するデータの可能性があります。

なお、「地域を選択」をしていれば、特段の操作は必要ありません。飲食店のジャンルごとの推移がひと目で分かります。新潟県では概ね5月1週を底に、上昇傾向に転じています。 ジャンル別では、ファミレス・ファストフードが健闘する一方、居酒屋・バーの回復が最も遅れています。

V-RESAS・飲食・1・新潟県

出典:「V-RESAS」およびRetty株式会社 Food Data Platform

上記の分析機結果は地域別に絞り込むこともでき、例えば阿賀野・五泉・加茂地域では、対象店舗が多くないとは思われるものの、前年同週比プラスとなっているジャンルが複数みられます。

V-RESAS・飲食・2・新潟県

出典:「V-RESAS」およびRetty株式会社 Food Data Platform

4.消費:決済データから見る消費動向

決済データとは、JCBグループカード会員から、無作為抽出した100万人のクレジットカード決済データをもとに作成された指標です。「小売業」と「サービス業」の2業種の結果が確認できます。

ただし、都道府県別ではなく、北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、 四国、九州・沖縄の9つの地域ブロック別の結果となっています。「地域を選択」で選んだ都道府県が属する地域ブロックが自動的に表示されます。

なお、新潟県は北陸に区分されており、小売業をみると、自粛要請を反映してECの決済が伸びている一方、 織物・衣服・身の回り品小売業 、 燃料小売業(恐らく、ガソリンスタンドが含まれと思われます)などが低迷しています。

V-RESAS・消費・カード

出典:「V-RESAS」およびJCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」

一方、関東のブロックをみると、ECの伸びが際立っており、北陸とはやや様相が異なっています。

V-RESAS・関東・小売業

出典:「V-RESAS」およびJCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」

5.消費:POSで見る売上高動向

POSは、全国約1200店舗のスーパー、GMSにおけるPOSレジにより集計された全国の品目別の売上高をもとに作成されています。「変化の特徴的な品目」と「注目度の高い品目」の2品目の結果が確認できます。

このデータも先程と同じく、都道府県別ではなく、9つの地域ブロック別の結果です。やはり「地域を選択」で選んだ都道府県が属する地域ブロックが自動的に表示されます。

「注目度の高い品目」をみると、家庭医療用品の伸びが目立ちます。2月に大きく上昇した後、店頭での在庫切れの影響なのか低下に転じています。その後、もしかすると、店頭在庫の回復に伴って4月2週頃から再度、上昇しています。一方、女性用メーキャップ化粧品は低迷が続いています。 自粛要請やマスク装着の影響があるとみられます。

V-RESAS・決済・1・新潟県

出典:「V-RESAS」およびナウキャスト「日経CPINow」

なお、西内啓先生がV-RESASの「解説コラム」で説明されているとおり、「決済データから見る消費動向」や「POSで見る売上高動向」では、 外出に関わる消費項目(宿泊、旅行、女性用メーキャップ化粧品等)に着目すると、個人消費の回復状況がつかみやすくなるかもしれません。

感想

ひじょうに簡単な操作で、足元の消費の現状が確認できる有益なWebsiteであると感じました。今後、さらにデータが充実される予定とのことですので、楽しみにしたいと思います。

なお、著作権については、細かな規定がありますので、下記のWebsiteをしっかりと確認した方が良いと思われます。私自身も確認してみたものの、念のため、もし本日の投稿の中で、著作権の侵害にあたる箇所があれば、即座に訂正いたしますので、ご連絡をお願いいたします。

・V-RESASのWebsite「 サイトポリシー」
 https://v-resas.go.jp/site-policy

・ JCB消費NOW のWebsite「サービス利用規約」
 https://www.jcbconsumptionnow.com/guidelines

・ 日経CPINow のWebsite「会員規約」
 https://lp.nowcast.co.jp/sitepolicy