V-RESASからみる新潟県の景気動向(2021年2~3月:個人消費)

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

新型ウイルスの感染者数が3月中頃から新潟県内でも増加しています。こうした中、新潟県内の人の流れや消費の動きはどのようになっているのでしょうか。

本日は、内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公開している「 V-RESAS 」をもとに、新潟県内における移動人口の動向やサービス業を中心とした消費動向(2021年2~3月)を確認したいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル、V-RESAS

※V-RESASについては、V-RESASのウェブサイト内の「このサイトについて」および当ブログの「V-RESASの使い方」をご参照ください

人流…移動人口の動向

まずは「人」の動きから確認してみましょう。

下のグラフで示されている移動人口とはスマートフォンの特定のアプリケーションから、ユーザの同意の上取得したGPSデータを、昼夜間人口をベースに人口統計化したデータです。 具体的には、各市区町村における「推定居住地が市区町村外のものの人口」を週毎に合計したものが移動人口であり、2019年同週からの変化率で表しています。

移動人口の推移

新潟県全体の移動人口をみると、年末年始に大きく落ち込んだ後に、依然として2019年同週を下回った水準にあるものの、緩やかに持ち直しています。直近の2021年3月第3週では2019年同週比▲8%減まで回復しています。

背景の一つには、学校の春休みや入学・就職・転勤等による転居時期を迎えていることもあり、県外をまたいだ移動が徐々に増えていることがあるとみられます。

興味・関心…外出に関する検索人数

次いで、外出に対する興味・関心を確認してみましょう。

「外出に関する検索人数」とはYahoo!検索で検索された検索ワードを、人工知能(AI)技術を用いてカテゴライズした上で、外出カテゴリの検索ボリュームを指数化したものです。

外出に関する検索数

この検索人数をみると、2021年2月第2週を底に持ち直していたものの、3月に入ってからは2019年同週比で▲7~8%減の横ばいで推移しています。新潟県内でも感染が拡大し始めた時期と重なるため、外出への興味・関心がやや抑えられているのかもしれません。

宿泊…宿泊者数の動向

続いて「宿泊」の動きを確認してみましょう。

「宿泊者数」は「観光予報プラットフォーム推進協議会」が保有するデータ――具体的には、旅行会社の店頭・国内ネット販売・外国語予約サイトなどの販売実績などをもとにしています。なお、単純には比較できないため、あくまでも参考程度となりますが、観光庁「宿泊統計」の延べ宿泊者数と比較すると、本データは延べ宿泊者数全体の約2割程度をカバーしている計算となります。

宿泊者数の推移

新潟県全体の「宿泊者数」をみると、「Go Toトラベル事業」 の適用が全国で一時停止された影響から、2020年12月第4週から2019年同週比で下回り始め、その後も減少傾向が続いています。直近である2021年2月第2週をみても、2019年同週比で76%の大幅な減少となるなど、▲70~80%台のマイナスのまま横ばいで推移しています。

3月に入り、宿泊者数がやや回復している地域も一部で聞かれるほか、県民向け宿泊割引「泊まっ得!にいがた県民割キャンペーン」が6月30日までおこなわれているものの、「Go To トラベル」事業の再開目途がたっていない上に、足元で新型ウイルス感染症が拡大していることなどもあり、当面、新潟県全体の「宿泊者数」は低迷が続くとみられます。

飲食…飲食店情報の閲覧数

最後に「飲食」の動きを確認します。

「飲食店情報の閲覧数」とは月間利用者数4,000万人の「Retty」が保有するデータから、飲食店を利用しようとする人の動向を把握するものです。なお、閲覧数であることから、実際に飲食店に行くタイミングよりも、やや先行するデータである可能性があります。

飲食店の閲覧数

新潟県全体の「飲食店情報の閲覧数」をみると、和食・中華・洋食・ファミレス・ファストフード・カフェ・居酒屋・バーなどを含めた「すべてのジャンル」の閲覧数は2021年1月第1週を底に緩やかに持ち直しつつありましたが、1月第4週から直近である3月第3週まで、2019年同週比で概ね▲20%台のマイナスのまま横ばいで推移しています。

特に「居酒屋・バー」のマイナス幅が大きく、3月第3週で2019年同週比▲44%減となり、大幅なマイナスが続いたままです。

感想

学校の春休みや入学・就職・転勤等による転居時期を迎えていることもあり、県をまたいた移動を中心に、新潟県全体の移動人口は持ち直しています。

ただし、感染の拡大に伴い、外出に対する興味・関心、宿泊者数、飲食店の閲覧数は低位横ばいで推移しています。今後も、感染状況をにらみながら、新潟県内の移動人口と個人消費は慎重な動きが続くものとみられます。

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注:

グラフについては、「パワーポイントの品質と生産性を向上させるデザイン・テンプレート(https://ppt.design4u.jp/template/)」を加工して作成いたしました。また、下記の宮城 信一 (2019年)『「デザイン」の力で人を動かす!プレゼン資料作成「超」授業 プレゼン上手に明日からなれる』SBクリエイティブ も参考とさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。グラフやPowerPointを作成する際にデザイン面で悩まれている方には、とても良いアドバイスが記載されています。