V-RESASからみる新潟県の景気動向(2021年1~2月:個人消費)

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公開している「 V-RESAS 」をもとに、本日は、サービス業を中心とした新潟県内における消費動向(2021年1~2月)を確認したいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル、V-RESAS

※V-RESASについては、V-RESASのウェブサイト内の「このサイトについて」および当ブログの「V-RESASの使い方」をご参照ください

人流…滞在人口の動向

まずは「人」の動きから確認してみましょう。

下のグラフで示されている滞在人口とはスマートフォンの特定のアプリケーションから、ユーザの同意を得た上で GPSデータを取得し、滞在人口を推定したデータです。 なお、滞在人口は「平均して滞在していると推定される換算人口数」と明記されています。

滞在人口-2021-01

新潟県全体の滞在人口をみると、感染者数が県内でも拡大し始めた2020年11月以降、濃紺の「市区町村内」の滞在者数が緩やかな上昇傾向で推移する一方、青色の 「都道府県内」の滞在者数が低下傾向をたどっています。したがって、新潟県内では「市区町村間」をまたぐような移動が抑えられていることがうかがわれます。

また、ピンク色の「都道府県外」の滞在者数は10月以降、振れを伴いつつも低下傾向で推移しています。特に2度目の緊急事態宣言が発出された1月以降の数値をみると、前年同週比50%~80%程度のマイナスで推移しています。

ただし、2月後半から青色の 「都道府県内」の滞在者数がやや上向いており、今後、市区町村間をまたぐような移動が活発化していくのか?注視していきたいと思います。

宿泊…宿泊者数の動向

次いで「宿泊」の動きを確認してみましょう。

「宿泊者数」は「観光予報プラットフォーム推進協議会」が保有するデータ――具体的には、旅行会社の店頭・国内ネット販売・外国語予約サイトなどの販売実績などをもとにしています。なお、単純には比較できないため、あくまでも参考程度となりますが、観光庁「宿泊統計」の延べ宿泊者数と比較すると、本データは延べ宿泊者数全体の約2割程度をカバーしている計算となります。

宿泊人口-2021-01

新潟県全体の「宿泊者数」(濃紺)をみると、2020年9月に2019年同月比プラスに転じた後は大幅な増加傾向で推移していました。特に11月は100%の高いプラス幅となりました。これは「Go Toトラベル事業」 や 県内自治体による観光支援策の効果によるものと思われます。

ただし、12月に入ると、感染者数の増加のほか、「Go Toトラベル事業」 の適用が全国で12月下旬頃から一時停止されたことなどから、新潟県全体の「宿泊者数」のプラス幅は縮小し、続く2021年1月には大幅なマイナスに転じています。

飲食…飲食店情報の閲覧数

続いて、「飲食」の動きを確認します。

「飲食店情報の閲覧数」とは月間利用者数4,000万人の「Retty」が保有するデータから、飲食店を利用しようとする人の動向を把握するものです。なお、閲覧数であることから、実際に飲食店に行くタイミングよりも、やや先行するデータである可能性があります。

飲食店-2021-01

新潟県全体の「飲食店情報の閲覧数」をみると、和食・中華・洋食・ファミレス・ファストフード・カフェ・居酒屋・バーなどを含めた「すべてのジャンル」の閲覧数は10月第3週以降、低下傾向で推移しています。特に12月末から1月第2週にかけては50%前後のマイナスとなっています。特に「居酒屋・バー」のマイナス幅が大きくなっています。

ただし、1月第4週以降から直近の2月第3週までは、依然として水準は低いものの、やや持ち直しの傾向もみられます。

興味・関心…外出に関する検索人数

最後に、外出に対する興味・関心を確認してみましょう。

「外出に関する検索人数」とはYahoo!検索で検索された検索ワードを、人工知能(AI)技術を用いてカテゴライズした上で、外出カテゴリの検索ボリュームを指数化したものです。

外出-2021-01

この検索人数をみると、11月以降、徐々に上昇していたものの、2度目の緊急事態宣言が発出された1月以降は低下傾向で推移しています。

ただし、「滞在人口」と同様に、2月の後半からの検索人数がやや上向いており、今後、さらに上昇していくのか?注目されます。

感想

新潟県内では感染者数が増加し始めた11月頃から、「人流」や「飲食」、そして「宿泊」の指標が低迷し、特に2度目の緊急事態宣言が発出された1月は消費者の行動が大きく抑制されている面がうかがわれました。

ただし、指標によっては2月後半頃から上向きつつあり、首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言や感染拡大の動向次第では、サービス業を中心とした新潟県内の個人消費は持ち直しに向かう可能性があります。

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注:

グラフについては、「パワーポイントの品質と生産性を向上させるデザイン・テンプレート(https://ppt.design4u.jp/template/)」を加工して作成いたしました。また、下記の宮城 信一 (2019年)『「デザイン」の力で人を動かす!プレゼン資料作成「超」授業 プレゼン上手に明日からなれる』SBクリエイティブ も参考とさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。グラフやPowerPointを作成する際にデザイン面で悩まれている方には、とても良いアドバイスが記載されています。