V-RESASでみる新潟県の景気動向(2020年9~10月:個人消費)

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が公開している「 V-RESAS 」をもとに、本日は、サービス業を中心とした新潟県内における消費動向を確認したいと思います。

 

データ、ビッグデータ、デジタル

※V-RESASについては、V-RESASのウェブサイト内の「このサイトについて」および当ブログの「V-RESASの使い方」をご参照ください。

人流…滞在人口の動向

まずは「人」の動きから確認してみましょう。

下のグラフで示されている滞在人口とはスマートフォンの特定のアプリケーションから、ユーザの同意を得た上で GPSデータを取得し、滞在人口を推定したデータです。 なお、滞在人口は「平均して滞在していると推定される換算人口数」と明記されています。

新潟県・滞在人口

出典:「V-RESAS」および株式会社Agoop「流動人口データ」

新潟県全体の滞在人口をみると、 青色の「市区町村内」の滞在者数が 5月第1週をピークに緩やかに低下する一方、緑色の 「都道府県内」の滞在者数が徐々に上向いており、9月後半からは前年をわずかに上回る週も出始めました。つまり、新潟県内では「市区町村内」の移動から「市区町村間」の移動へと変化している様子がうかがえます。

さらに、低迷が続いていた「都道府県外」の滞在者も急速に上向いており、9月第4週には前年比微減の水準にまで回復しました。背景には、 「Go Toトラベル事業」による影響もあったとみられます。ただし、10月以降は再び減少傾向に転じ始めています。

宿泊…宿泊者数の動向

次いで「宿泊」の動きを確認してみましょう。

「宿泊者数」は「観光予報プラットフォーム推進協議会」が保有するデータ――具体的には、旅行会社の店頭・国内ネット販売・外国語予約サイトなどの販売実績などをもとにしています。なお、単純には比較できないため、あくまでも参考程度となりますが、観光庁「宿泊統計」の延べ宿泊者数と比較すると、本データは延べ宿泊者数全体の約2割程度をカバーしている計算となります。

新潟県全体の「宿泊者数」(青色)をみると、5月を底に緩やかに回復していたものの、9月は前年比微減程度の水準にまで回復しました。 「Go Toトラベル事業」 や 県内自治体による観光支援策の効果もあり、緑色の「都道府県内」の宿泊者数が大幅な増加となっています。また、低迷が続いていた オレンジ色の「都道府県外」の宿泊者数も改善しています。

なお、主要な観光地である魚沼エリアや佐渡エリアでも、同様の傾向がみられます。

新潟県・宿泊者

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

「宿泊者数」(新潟県全体)を宿泊者の分類別にみると、緑色の「子ども連れ(子ども=13歳未満)」やオレンジ色の「男女二人(カップル・夫婦)」の伸びが9月は大きくなっています。

グループ別・宿泊者

出典:「V-RESAS」および観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局:日本観光振興協会)

飲食…飲食店情報の閲覧数

続いて、「飲食」の動きを確認します。

「飲食店情報の閲覧数」とは月間利用者数4,000万人の「Retty」が保有するデータから、飲食店を利用しようとする人の動向を把握するものです。なお、閲覧数であることから、実際に飲食店に行くタイミングよりも、やや先行するデータである可能性があります。

新潟県全体の「飲食店情報の閲覧数」をみると、青色の「すべてのジャンル」は振れを伴いつつも、5月第1週を底に緩やかに回復しています。新型ウイルスの感染者数が増加した夏場に一時、低迷したものの、9月後半以降は前年並みまで回復しています。

ピンク色の「居酒屋・バー」も8月第3週を底に持ち直しているものの、ジャンル別では最も回復が遅れています。

新潟 飲食店

出典:「V-RESAS」およびおよびRetty株式会社 Food Data Platform

興味・関心…キーワードの検索人数

最後に、消費に対する興味・関心を確認してみましょう。

「キーワードの検索人数」とは、Yahoo!検索で検索されたカテゴリ毎の検索人数をもとに、人々の興味・関心を前年同期比で表しているものす。飲食店と同様に、実際の消費に比べてやや先行するデータであると思われます。

このうち、青色の「すべての消費カテゴリ」をみると、5月第2~5週あたりの間で検索人数が高止まり、その後は減少傾向をたどっています。ただし、8月第5週を底に前年比微増の状況が続いています。

さらに 直近の動きを検索カテゴリ別にみると、紫色の「自動車・二輪車」や茶色の「レジャー・遊び」などの上昇が目立ちます。こうした遠方への外出に関連するカテゴリが伸びているので、個人消費を巡る環境としては良い方向に向かっているのかもしれません。

新潟 消費 検索キーワード

出典:「V-RESAS」およびヤフー・データソリューション

感想

宿泊、飲食といった新潟県内のサービスの動向を詳しくみると、先月までは全体的に5月を底に持ち直していたものの、感染者数の拡大が続いた8月以降は停滞していると判断していましたが、今月の結果をみると、8月後半から感染防止に配慮しながら、やや上向いている傾向が読み取れました。

このようにV-RESASでは、データの取得から公表までの期間が短く、最新の動向が把握できるのが利点なので、今後も活用していきたいと思います。

なお、今月から「求人情報数」のデータも新たに追加で公表されるようになりました。これは「株式会社ゴーリスト」が保有する分析用求人ビッグデータ提供サービス 「 HRogリストforアカデミア」のデータであり、Web上の複数の求人情報サイトから収集した求人情報数を可視化したものと説明されています。

新潟 求人

出典:「V-RESAS」および株式会社ゴーリスト「 HRogリストforアカデミア」

青色の「すべての職種」をみると、5月末から6月初旬を底に、わずかに上向きつつあるものの、それでもなお前年比2割前後の減少傾向で推移しているようです。