今月1日、日米貿易協定が発効されました

新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

日米間で協議・会合が行われていた日米貿易協定が今月1日発効されました。日米貿易協定は、従来のEPA(経済連携協定)より交渉範囲が狭く、対象を工業品や農産品など物品関税に限定しています。ただし、世界のGDPの約3割を占める経済大国である日米両国間の貿易協定として大きな経済効果が見込まれています。そこで今回は日米貿易協定の概要について改めて確認したいと思います。

 

日米貿易協定 交渉 合意

米国との貿易量の推移

日米貿易協定の確認に入る前に、財務省の貿易統計において日本と米国との貿易量(輸出入総額)についてみたいと思います。2018年の対米国の輸出入総額は前年比5.5%増の24兆4,851億円となりました。近年は、概ね増加傾向で推移しています。

続いて、同じく貿易統計において18年の輸出入額の内訳をみたいと思います。輸出額は15兆4,702億円となっています。なお輸出品の上位は「自動車(4兆5,241億円)」「自動車の部品(9,295億円)」「原動機(9,140億円)となっています。一方、輸入額は9兆149億円となっており、輸入品の上位は「原動機(7,122億円)」「穀物類(4,825億円)」「航空機類(4,757億円)となっています。

日米貿易協定の概要(日本からの輸出)

米国向けの輸出額で最も多い「自動車」や「自動車部品」については「関税の撤廃に関して更に交渉」とし、現状の関税2.5%となりました。ただし、その他の工業品では幅広い品目で関税が撤廃もしくは引き下げられることとなります。例えば、高性能な機械や部品等として、「マシニングセンタ」「旋盤」「3Dプリンタ」などは発効後2年目に撤廃されるほか、「工具」や「鉄道部品」「楽器」などは一部品目が即時撤廃となります。

日米貿易協定の概要(日本への輸入)

米国から輸入する農産品に係る関税については、TPPの範囲内となるよう税率が設定されました。例えば、「牛肉」「豚肉」については、TPPと同内容で段階的にそれぞれ9%、50円まで削減されることとなっています。また「ワイン」は発効後、段階的に引き下げられ発効後7年目に撤廃されます。なお「コメ」については関税削減・撤廃等の対象から除外されています。

おわりに

今回発効する日米貿易協定では、米国向けの輸出額で最も多い自動車や自動車部品の関税削減・撤廃は実現しませんでしたが、その他の多くの工業品で関税の撤廃や引き下げが実施されます。なかには「マシニングセンタ」「旋盤」「工具」など新潟県においても関係の深い品目が対象となりました。日米貿易協定を活用することで、県内企業にとってビジネスチャンスにつながることが期待されます。