全国比低い新潟県のテレワークの導入率

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

新型ウイルスの感染拡大に伴い、テレワーク(在宅勤務)が注目を集めるとともに、企業や働く人たちに、その実践が推奨されています。今回は、これまでのテレワークの活用状況についてみていくこととします。

全国のテレワークの導入状況

総務省「令和元年版 情報通信白書」によると、テレワークとは「ICTを活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。テレワークには3つの形態があり、具体的には在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイルワークです。このうち、現在最も推奨されているのは在宅勤務です。

次に、これまでの全国におけるテレワークの導入状況(企業の導入率)をみると、企業におけるテレワークの導入率は年々上昇しています。テレワーク全体では、2013年の9.1%から2018年には19.0%と10ポイント程度上昇しています。特に、2017年から2018年にかけて急上昇しています。近年、テレワークの導入率が上昇している背景には、働き方改革やワーク・ライフ・バランスに対する意識の高まりなどがあるとみられます。ただし、上記のテレワークの3つの形態別にみると、やや動きが異なります。

テレワーク全体とともに急上昇しているのはモバイルワークであり、次いで伸びているのが在宅勤務となっています。サテライトオフィス勤務はほぼ横ばいでの推移となっています。以上から、これまで全国の企業におけるテレワーク導入率の上昇においては、モバイルワークの導入が中心で、少しずつ在宅勤務の導入が進んできたものとみられます。

新潟県の導入状況

次に、新潟県の状況についてみてみたいと思います。ただし、新潟県では全国と同種の調査がありません。代替として新潟県が毎年行なっている「新潟県賃金労働時間等実態調査」のうち、令和元年度の「 仕事と家庭の両立のための支援制度 」に関する設問の結果をみてみます。

「 仕事と家庭の両立のための支援制度 」 に関する設問は、「育児に関するもの」と「介護に関するもの」とに分かれています。育児と介護それぞれで「 仕事と家庭の両立のための支援制度 」があると回答した事業所において、具体的に採用している支援制度の 導入状況の結果をまとめると下表のようになります。そのなかで、令和元年度調査から「在宅勤務・テレワーク」が追加されていますが、
「在宅勤務・テレワーク」 は育児・介護とも1%台となっています。上記の全国の調査結果と単純比較はできませんが、新潟県において「在宅勤務・テレワーク」を導入している事業所(企業)の割合は全国に比べて低いものと推察されます。

まとめ

これまでの調査結果をみるかぎり、新潟県の企業におけるテレワークの導入率は全国に比べて低いといえそうです。これは産業構造や企業規模の違いなどが背景にあると考えられます。しかし、近年の働き方改革の流れのなかで、テレワークに対する企業の関心は高まってきているようです。テレワークが馴染みにくいと思われる業種でも導入を試みている企業もあるようです。また、足元の新型ウイルスの流行に伴い、テレワークが全国で推奨されています。以上から、新潟県内においても、今後テレワークの導入が加速するかもしれません。