実施率も低い新潟県のテレワーク

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

先日投稿した全国比低い新潟県のテレワークの導入率と題した記事では、全国と新潟県の企業におけるテレワークの導入状況についてお伝えしました。今回は、働く側に注目したテレワークの実施状況についてみていきます。

 

これまでは1割に満たず。地域間による差も

総務省「通信利用動向調査」によると、2016年~18年の3年間に全国で「テレワークをしたことがある」とする人の割合は6%台~8%台と1割に満たない状況となっています。

また、2018年の結果を地域別にみると、『南関東』では「テレワークをしたことがある」とする人の割合が16.0%と唯一1割を超えています。しかし、『南関東』以外では、『北関東』が6.8%、『北陸』が5.9%、『近畿』が5.8%、『東海』が5.4%など5%台~6%台となっているほか、新潟県が含まれる『甲信越』や『東北』『中国』『四国』などは2%台と全国水準を大きく下回っています。

先日の記事でみたように、全国の企業におけるテレワークの導入率は、緩やかながら上昇してきましたが、働く人の実施状況は、これまであまり高まってこなかったとみられます。加えて、地域間の差も大きくなっています。

在宅とモバイルワークの利用が中心

また、テレワークの実施状況を「在宅」「サテライトオフィス」「外出先(モバイルワーク)」の3形態別にみると、全国では「在宅」と「外出先(モバイルワーク)」が5%台で同程度となっています。地域別にみると、地域によって実施状況の水準に差はみられますが、「在宅」と「外出先(モバイルワーク)」が概ね同程度となっている所がほとんどとなっています。

企業の導入率においても、「在宅勤務」と「外出先(モバイルワーク)」が伸びており、それに連動する結果となっています。

テレワークの実施状況は足元で急増

以上のように、この数年は、企業の導入率が上昇する一方で、働く側の実施状況はあまり高まらずにきました。また、企業の導入率が上昇している「在宅勤務」と「モバイルワーク」中心に実施されてきたことが分かります。それでは、足元の新型ウイルスの感染拡大に伴い、テレワークの実施状況に変化がみられているのでしょうか。

パーソル総合研究所が、今年の3月と4月に実施した「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」の結果によると、全国におけるテレワークの実施率は3月の13.2%から4月には27.9%と14.7ポイントの上昇となっています。4月7日に緊急事態宣言が出されて以降、全国で急速にテレワークの実施が進んだ様子がうかがえます。

また、地域別にみても、急速にテレワークの実施率が上昇していることが分かります。関東(+22.5ポイント)や近畿(+13.9ポイント)では2桁の伸びとなっているほか、新潟県も5.1ポイントの上昇となっています。しかし、実施率の水準は地域によってバラつきがみられるほか、上昇幅も地域によって差があります。新潟県に関して言えば、4月の実施率は12.1%と全国(27.9%)を15ポイント程度下回っているほか、上昇幅も10ポイント近く全国を下回っています。

まとめ

足元でテレワーク実施率の水準と上昇幅に地域間の差がある背景には、感染者数が多いか、少ないかということが影響しているとみられるほか、産業構成のちがいや通勤手段のちがい、通勤時間の差などがあるとみられます。しかし、今回の新型ウイルス感染拡大のような不測の事態に備える観点からも、企業においてテレワークの導入を推進するのに合わせて、働く側においても、どのようにすれば成果を出しながらテレワークが可能かを意識していくことが求められていると言えそうです。