家計調査から「巣ごもり消費」を確認してみました①

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

上場企業の中間決算の発表が相次いでいます。今年の各社の発表をみていると、ほとんどの企業が、大なり小なり何らかの形で新型ウイルスの影響を受けた結果となっているようです。

そのなかで、一般消費者を主力にした業種の企業のコメントでみられる言葉に「巣ごもり需要」または「巣ごもり消費」があります。「巣ごもり需要」や「巣ごもり消費」とは、外出を控えざるをえない環境下、おうち時間を楽しむための需要または消費のことです。今回は、総務省の「家計調査」を使って、全国と新潟県(新潟市)の「巣ごもり」の状況をみてみたいと思います。

2020年1~3月以降、全国・新潟市とも消費支出額は低迷

総務省「家計調査」では、全国の世帯の消費支出額に加え、全国の県庁所在地のある市と政令指定都市の消費支出額を集計のうえ公表しています。このデータを使って全国と新潟市それぞれの消費支出額の前年比の推移をみると、2019年10~12月以降、全国・新潟市ともに4四半期連続で前年比マイナスとなっています。ちなみに、19年10月の消費税率上昇の影響を受け、19年10~12月の消費支出額は全国・新潟市ともに前年比マイナスとなったものとみられます。その後、20年1月以降の新型ウイルスの世界的な感染拡大による外出自粛や旅行消費の縮小などにより、20年1~3月以降、全国・新潟市ともに消費支出額は3四半期連続で前年水準を下回っており、低迷しています。

 

費目でみると「被服及び履物」や「交通・通信」「教養娯楽」で減少

次に、20年1~3月以降の全国と新潟市の消費支出額の推移について、10の費目(食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、その他)別にみると、20年4~6月と7~9月には、全国・新潟市とも「被覆及び履物」や「交通・通信」「教養娯楽」などで大幅に前年比マイナスとなっています。これは、明らかに一般消費者の「巣ごもり」のマイナスの側面が表れたものとみられます。そのなかで、20年7~9月の新潟市の「交通・通信」は前年比プラスとなっていますが、これは学校休校が解除になり、高校生を中心に定期券の購入が増えたものと考えられます。一方、同時期の全国の「交通・通信」は前年比マイナスとなっています。これは、全国的なテレワークの浸透が背景にあると考えられます。

一方、全国・新潟市とも20年4~6月の「家具・家事用品」の前年比がプラスになっているほか、新潟市では「住居」の前年比もプラスになっています。これらは、外出を自粛するなかで、おうち時間を楽しむための消費を増やした結果であり、「巣ごもり」のプラスの側面が表れたものとみられます。

まとめ

以上のように、新型ウイルス禍のなか、外出自粛による関連消費が減少することで、全国・新潟市とも消費支出額自体が低迷した様子を確認することができました。また、大まかな10の費目をみただけでも、いわゆる「巣ごもり消費」を行なっている一般消費者の姿がみてとることができました。

次回以降の投稿では、10の費目をさらに細かく、個別品目ごとの消費支出額の推移を確認しながら、「巣ごもり」の状況を確認していきたいと思います。