家計調査から「巣ごもり消費」を確認してみました②

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

家計調査から『巣ごもり消費」を確認してみました➀」に続き、第二弾をまとめてみました。

 

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2020年10~12月以降も消費支出額は低迷

家計調査から『巣ごもり消費」を確認してみました➀」では、2019年1~3月から2020年7~9月 の間の全国と新潟県(新潟市)それぞれの消費支出額(前年比)の推移をみましたが、2020年初以降の新型ウイルスの感染拡大による外出自粛や旅行消費の縮小などにより、全国・新潟市ともに消費支出が低迷している様子を確認することができました。

続く2020年10~12月以降の 消費支出額(前年比)の推移をみると、全国では2020年10~12月に前年比0.3%減とほぼ横ばいとなりましたが、2021年1~2月は同8.3%減と再び大きく減少していることが分かります。

一方、新潟市は、2020年10~12月は同8.9%減、2021年1~2月は同5.1%減と減少トレンドが継続しています。

総じてすべての費目で低迷するなか、住居や家具・家事用品は堅調

次に、2020年7~9月以降の3期間について、10の費目(食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、その他)別にみると、全国では「住居」「家具・家事用品」「教育」などで増加がみられますが、他の費目はほとんど前年比マイナスとなっています。全体的には消費支出を抑えている一方で、おうち時間の増加により「住居」や「家具・家事用品」のみ比較的堅調な様子がうかがえます。

一方、新潟県においても「住居」と「交通・通信」以外は前年比マイナスとなっています。「交通・通信」の2021年1~2月の大幅な増加は、自動車購入関連での前年からの反動増によるもので、鉄道や航空などの運賃等は前年比マイナスとなっており、全国と同様、巣ごもりの状況が続いている様子がみてとれる結果となっています。

食料関連の支出の中で伸びる油脂・調味料と酒類

それでは、上でみた10の費目について、それぞれさらに細かい分類で伸びている品目と落ち込んでいる品目の状況をみていくことにします。まず、「食料」に関する品目の増減についてみてみます。

「食料」は「穀類」「魚介類」「肉類」「乳卵類」「野菜・海藻」「果物」「油脂・調味料」「菓子類」「調理食品」「飲料」「酒類」「外食」の12の品目に分けられます。この12の品目について、2020年における全国と新潟市それぞれの四半期ごとの前年比をみると、全国において、前年よりも10%以上伸びている品目としては、「肉類」「乳卵類」「野菜・海藻」「油脂・調味料」「酒類」などがあげられます。一方、新潟県においては、「穀類」「肉類」「乳卵類」「果物」「油脂・調味料」「調理食品」「酒類」となります。

野菜や魚、肉などの生鮮食品は、価格が相場で大きく変動することがあることから、消費額の増加=消費量の増加とは言い難い面がありますが、「肉類」に関して、さらに細かな分類でみてみると、全国・新潟市とも「牛肉」が前年比増加していることから、自宅でステーキや焼肉などを楽しんだ様子がうかがえます。また、全国・新潟県とも「油脂・調味料」と「酒類」が増加しています。これは、自宅での調理の増加(外食の減少)に伴い、調味料等への支出が増えたことや、家での飲酒、いわゆる「宅飲み」が定着してきたことが背景にあるとみられます。さらに、新潟市においては「調理食品」が伸びており、外食メニューの持ち帰りや総菜の購入などが増加しているとみられます。

まとめ

以上のことから、「食」に関する消費支出にスポットを当ててみると、全体的に家庭内での飲食回数が増えた様子がみてとれる結果となっています。それに合わせるかのように、「食」に関連する業界では、家庭での食事や宅飲みを楽しめる商品開発が進んでいるようです。今後も「食」の分野では、ニューノーマル(新常態)を意識した商品開発がますます進んでいくものとみられます。