「県内企業におけるSDGsの取り組み(第1回)」と題した調査レポートをまとめました

新型ウイルス感染症の長引く影響によって経済環境の先行きが不透明ななか、未来志向の世界共通目標であるSDGsの視点を経営に取り入れる企業が県内でも徐々に増加しています。

また、企業の取り組みを促すため、自治体では新潟県土木部や見附市が独自の登録制度を設けてSDGsに取り組む企業を登録・支援する動きもみられます。

そこで、SDGsの概要と企業が取り組む意義を踏まえたうえで、実際にSDGsに取り組んでいる県内企業の事例をまとめた調査レポートの一部をご紹介したいと思います。

 

地球 SDGs

SDGsとは

国連が定めた世界共通目標

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、世界が直面する様々な課題を総合的に解決し、持続可能なより良い未来を築く目的のもと、2015年9月の国連サミットで採択された2016年~ 2030年までの目標のことです。

「2030年をこういう世界にしたい」という未来像を描いたもので、17の目標と169のターゲット、232の指標で構成されています。法的拘束力はないものの、国際機関や各国政府のみならず、企業や個人に至るまで全ての人に目標達成のための行動が期待されています。

企業の持続可能性を追求するツールとなる

SDGsは、「持続可能な開発目標」と一般的に和訳されますが、Sustainableは「~し続けることができる」、Developmentは「成長、発展」とも訳すことができ、企業に当てはめてみると「長く経営を続けられるように、より良い企業に成長・発展するための目標」と捉えることができます。

企業が将来にわたって継続し、成長・発展していくために必要なことは、社会のニーズを重視した長期的な視点を持った事業展開です。

このため、現在、企業の間で持続可能性を追求するツールとしてSDGsの活用が注目されています。

SDGsに取り組む意義

社会の課題への対応

SDGsには社会が抱えている様々な課題が網羅されており、今の社会が必要としていることが詰まっています。企業がこうした課題に対応することは、経営リスクの回避とともに社会への貢献や地域における信頼の獲得につながります。

また、SDGsは世界の共通目標(共通言語)であることから対外的な発信力があり、SDGsを企業の目標とすることで自社の使命や存在意義、価値観、将来像などの企業理念やビジョンを社外にわかりやすく、ダイレクトに伝えることができます。

事業継続性の確保

SDGsはあくまでも目標であることから、法的な拘束力はなく、取り組まないからといって罰則があるわけでもありません。しかし、SDGsが達成されず、環境問題や社会問題が一段と深刻化すると、結局のところ自社の事業活動にもマイナスの影響が及びます。

また、国内外では産業政策やビジネスルールなどをSDGsと整合させる動きが起きています。サプライチェーンとの関係でも、今後、企業間取引にあたり、SDGsに関する情報開示が求められるケースが増えることも考えられ、対応が不十分だと、場合によっては取引ができないことも想定されます。特に海外企業とのビジネスでは、こうした点がリスク要因となることが見込まれます。

このことからも、企業は事業の継続性を確保し、将来的なリスク管理を図っていくためにSDGsに目を向ける必要があるといえます。

社員の意識向上や企業のイメージアップ

SDGsを企業の目標とすることで、社員にとっては自社の目指す未来が明確になるとともに、SDGsを通じて企業活動が社会と密接につながることで仕事に対するやりがいを生み出し、モチベーションアップにつながる効果が期待されます。

また、SDGsへの取り組みを発信することで、企業イメージや社会的信頼が向上し、採用面で意識の高い優秀な人材を獲得することにもつながます。

新たな事業機会の創出

SDGsの達成には、企業がビジネスを通じて提供する製品やサービスが必要とされ、新たな技術やアイデアも求められています。こうしたSDGsがもたらす市場機会の価値は、2017年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で年間12兆ドル(約1,320兆円)と試算されています。

新たな製品やサービスを開発するだけでなく、既存のものを改良することでも対応は可能で、業種や企業規模を問わず各企業にチャンスがあります。

現在、新型ウイルス感染症の影響もあり、人々の価値観は変容しつつあります。この動きを適切に捉え、SDGsに対応したビジネスを展開することは、自社の事業拡大につながると考えられます。

県内企業の取組事例

県内でも、SDGsに取り組む企業が増えています。調査レポートでは、SDGsに取り組む県内企業を2社紹介しています。また、今後も連載形式で県内企業の取組事例を調査レポートを通じて公表する予定です。

まとめ

先日、公表された新潟商工会議所「SDGsに関するアンケート調査結果」をみると、SDGsの取組状況については、「既に取り組んでいる」事業所の割合が 23.9%となっていました。また、「既に取り組んでいる」と回答した99社に対し具体的な取組内容を尋ねた結果をみると(自由回答形式)、自然素材を使った省エネ住宅の建築、食品廃棄物削減に寄与する製品開発といった「SDGsに関連した製品・サービスの開発や事業の展開」に関する回答が最も多くなっています。以下「ダイバーシティの推進」「SDGsの取組に関する情報発信」「リサイクル活動の推進」「プラスチックの削減」「教育支援活動への参画」「働きやすい環境の整備」が続くなど、県内企業による様々な活動がみられます。

今後も、SDGsに取り組む企業は全国および県内でも増えていくことが予想されます。SDGsに今後取り組むことを検討している企業の方々、また既に取り組んでいる企業の方々でご興味のある方は、実際の取組事例が紹介されていますので、ご参考までにMonthly2021年11月号「県内企業におけるSDGsの取り組み(第1回)」をご覧ください。