新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。
さて、今週の木曜日、12月1日は「映画の日」です。
一般社団法人映画産業団体連合会のWebsiteによると、
1896年(明治29年)11月25日~12月1日、エジソンが発明したキネトスコープが、初めて神戸で輸入上映され、この年から数えて60年目にあたる1956年(昭和31年)より、“12月1日は「映画の日」”と制定し、日本における映画産業発祥(日本で初めての有料公開)を記念する日としました。
一般社団法人映画産業団体連合会のWebsite「映画の日」
http://www.eidanren.com/activity01.html
と記載されています。
そこで、今日は映画にまつわる統計、中でも供給側のデータをご紹介したいと思います。
映画館数・入場者数・興行収入の推移
映画に関する供給側のデータについては、一般財団法人日本映画製作者連盟「日本映画産業統計」にまとめられています。このデータをもとにポイントをお伝えしていきます。
①映画館数(スクリーン数)
まずは、映画館数(スクリーン数)の推移です。下の図の通り、その数は近年、横ばいで推移しているようです。
内訳をみると、一般館が減少する一方、シネコン(同一運営組織が同一所在地に5スクリーン以上集積して名称の統一性<1、2、3…、A、B、C…、等>をもって運営している映画館)が緩やかに増加しています。
なお、2015年の映画館数(スクリーン数)は3,437。近年では最も多い数となっています。過去をさかのぼると、1960年の映画館数が7,457となっており、時代を感じる数字となっています。
②都道府県別の映画館数(スクリーン数)
また、映画館数(スクリーン数)を都道府県別にみると、「東京都」が最も多く、以下「愛知県」「大阪府」「埼玉県」「神奈川県」「千葉県」の順位となっています。「新潟県」は「群馬県」「長野県」と並んで第15位となっています。総務省の都道府県別「人口推計」(平成27年10月1日現在) をみると、「新潟県」の人口は第15位となっていますので、人口相応の数となっているようです。
③入場者数
続いて、入場者数をみてみましょう。下の図をみると、長期時系列でみれば、ほぼ横ばいで推移しています。ただし、この5年間に限れば、東日本大震災の影響と思われますが2011年に大幅に落ち込んだ後、徐々に回復していることがうかがわれます。
④興行収入
最後に、興行収入をみてみます。こちらは入場者数と同じような推移をたどっており、ほぼ横ばいで推移しています。内訳をみると、長らく洋画の割合が邦画を上回ってきましたが、2006年~2008年頃からその割合が逆転し、近年は邦画の割合が5割を超えて推移しています。その年のヒット作に左右されるのでしょうが、邦画の頑張りが感じられます。
感想
最近は、アニメや漫画の原作が多く、オリジナル作品が少ないと指摘される時があるようですが、それでも邦画の勢いを感じられるデータでした。
実際、私自身を振り返っても、子供と一緒にアニメや漫画の原作を見る機会が多いなぁとの印象です。12月1日は「映画の日」ということで割引している映画館もありますので、たまには渋い映画を見るために映画館へ足を運ぼうと思っています。
なお、需要側(利用者側)のデータについては、長くなりましたので、日を改めてご紹介させていただきます。