新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。
当センターでは独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表されている経済指標を通じて、県内の景気動向を分析し基調判断を毎月おこなっています。
そこで、今日は2016年8月の基調判断を紹介します。
8月の基調判断:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済~公共投資は減少しつつある
○公共投資は減少しつつある。
○生産活動は弱含んでいる。
○個人消費は横ばいで推移している。
○住宅投資は持ち直しつつある。
○総じてみると県内経済は横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる。
詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。
新潟県内の公共投資の動向
8月の県内経済の基調判断では、公共投資を「伸びが鈍化している」から「減少しつつある」に表現を変更しております。
そこで、今月は公共投資の統計をみていきたいと思います。
東日本建設業保証株式会社が毎月発表している「前払金保証実績からみた公共工事の動向」をみますと、県内の公共工事は16年4~6月期に前年比6.0%増となり2四半期連続で前年を上回りました。
しかし、その後、7月が同18.6%減、8月も同3.0%減となるなど、減少傾向で推移しています。特に市町村からの発注が落ち込んでいます。
なお、東日本建設業保証株式会社とは、国や地方公共団体が工事の着工資金として建設企業に支払う前払金を保証する事業などを主におこなっている会社です。
▲公共工事請負金額の推移(前年同月比、発注者別寄与度)
まとめ
今年度に入り、国から公共工事の予算を上期中に前倒しで8割執行する方針が発表され、新潟県も同様の方針を発表したこともあり、4月に発注が集中した面がみられました。そのため、現状では予算を早期執行した反動が出ている状況です。
今後については、8月に政府が決定しました総事業規模28兆円の経済対策が、どの程度県内に影響を与えるか注視していきたいと思います。