新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。
当センターでは、独自に行っている 県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、 県内の景気動向を分析し基調判断を毎月おこなっています。
そこで、今日は2016年7月の基調判断を紹介します。
7月の基調判断:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済 ~設備投資は減少している~
○公共投資は伸びが鈍化している。
○個人消費や住宅投資はともに横ばいで推移している。
○一方、生産活動は新興国経済の減速を受けて弱含んでおり、設備投資は減少している
○総じてみると県内経済は横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる。
詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。
県内経済の現状と先行き
当センターが16年5月下旬から6月上旬にかけて行った「2016年上期新潟県企業動向調査(以下、企業動向調査)」によると、県内企業の業況感は14年7-9月期以降、概ね横ばい圏内で推移してきましたが、中国経済の減速や公共工事の減少、暖冬少雪による季節商品の不振などの影響により16年4-6月期に大きく低下し、業況感は悪化しました(図表1)。
▲図表1 新潟県企業動向調査「業況判断BSI」
6月以降の外部環境は、4-6月期にマイナス要因として挙げられていた暖冬の影響や少雪といった季節要因は無くなったものの、為替が円高に振れており、好転している状況にはありません。公共投資も予算の前倒し執行が期待されていますが、伸び悩んでいます。
そうした状況を考えると、当面は横ばいの状況が続くのではないかと考えております。なお、センター月報9月号の「新潟県の景気の現状と先行き見通し」で生産活動や設備投資、個人消費などの各項目について詳細に記載しておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
新興国経済の減速などが続き、海外経済の改善はあまり期待できなさそうですが、8月2日に発表された国の経済対策の事業規模は28.1兆円となり、第2次安倍政権発足後で最大の対策規模となりました。
経済対策が執行されるまでは時間がかかるため、当面は横ばい程度が続くと見込んでいます。しかし、経済対策が執行されれば公共投資を中心に押し上げ効果が期待できますので、今後の動向に注視していきたいと思います。