オンラインで商機をつかむ~新型ウイルス禍のなか、オンラインでの取引開拓にうごき その2~

新潟経済社会リサーチセンターの唐橋です。

前回に続き、県内企業のオンライン取引の事例をご紹介したいと思います。今回は消費者向けの販売事例をお伝えいたします。

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アパートメントの事例

ティーアールエー(新潟市中央区)は、デザインにこだわった家具を取り扱うインテリアショップ「アパートメント」(同)を運営しています。

同店では実店舗での販売のほか、約10年前から自店のホームページでオンラインショップを運営してきました。しかし、オンラインショップでの売り上げはほとんどない状態が続いました。こうした中、社員の1人からオンラインショップの有効活用に関する提案を受け、2018年からオンラインショップを含む自店ホームページの改良を続けています。

オンラインショップのリニューアルに際して意識したことは大きく2つあるそうです。1つは、新潟県内を中心とした同店の既存の顧客との接点の場を増やすことです。もう1つは、同店が扱うブランドや商品に興味や関心を持つ全国のより多くの人たちに同店を知ってもらうことです。

そのための具体的な改良の1つが、オンラインショップの商品構成を拡張したことです。従来のオンラインショップでは、掲載商品を一部の家具に限定していたほか、掲載商品の入れ替えを行なうことはほとんどなかったそうです。リニューアルでは、家具全般に加え、食器や家庭用品などの雑貨類を幅広くオンラインショップに掲載するようにしました。

もう1つの改良がインスタグラムと連動したオンラインショップ作りです。ほぼ毎日、商品を中心とした同店の情報を代表と社員が交代でインスタグラムに掲載しています。これにより、掲載情報に対する社員の思いやセールスポイントなどが顧客に伝わりやすくなりました。その結果、インスタグラムを介した商品の問い合わせが増えるようになりました。加えて顧客にとっては、同店の代表や社員に親しみを感じる機会にもなっていると考えているそうです。

 

アパートメントのInstagram

一方、新型ウイルスの影響により、顧客の多くが実店舗への来店回数の減少や滞在時間の縮小を余儀なくされました。ただし、オンラインショップのリニューアルによる成果もあり、事前にオンラインショップで商品を確認したうえで来店する顧客や、同店の商品と他店の商品とをそれぞれの実店舗で比較した後に、同店のオンラインショップで購入する顧客などが増加しています。また、雑貨類に関しては、首都圏を中心とした県外からの注文がほぼ毎日のように入るようになりました。

さらに最近では、電話やメールでの商品照会や注文、そして代金の銀行振込にも対応し始めています。今後も顧客が利用しやすい実店舗とオンラインショップを目指すとともに、これまで以上に顧客から親近感を抱いてもらえる店づくりを進めていきたいと語られています。

まとめ

新型ウイルスの影響により、急速に注目を集めるようになったオンライン取引。今後、ニューノーマル(新常態)への備えが求められるなか、多くの業界でオンライン取引の必要性が増していくことが予想されます。

オンライン取引で実効性を上げるには、オンライン取引の仕組みや運営方法の十分な整備が必要です。それに加えて、それまでの信頼感を活かすことや、親近感を醸成していくことが重要だと思われます。

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「センター月報」 2020年11月号の 「潮流 県内最新トピックス 第29回」を加除修正しました。