出生数の減少が続く新潟県

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

2019年の暮れに、厚生労働省より「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」(以下「年間推計」)が発表されました。そのなかで出生数が86.4万人と初めて90万人を割り込んだことに注目が集まりました。その背景には、従来指摘されている出産期にある女性の人口の減少や合計特殊出生率の低下基調などに加え、「令和婚」を意識した結婚の先延ばしなどがあると言われています。

一方、死亡数は前年から1.4万人増加の137.6万人となり、出生数から死亡数を引いた自然増減数は51.2万人の自然減となりました。こちらも初の50万人越えとして出生数の90万人割れとともに注目が集まり、少子化と人口減少が深刻さを増していることを改めて浮き彫りにした結果となっています。そこで、本日は新潟県の自然減の現状についてご紹介します。

 

自然減が続く新潟県

厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」では、都道府県別の結果は公表されていません。そこで、これまでの「人口動態調査」の確定数の結果をもとに新潟県の出生数を試算してみました。

具体的な試算方法は、2014年~2018年の全国の出生数に占める新潟県の出生数の割合の平均を求め、上記の2019年の全国の出生数を乗じるというものです。この方法での試算結果は13,891人となり、2019年の新潟県の出生数は1.4万人を割り込むものとみられます。2017年に14,967人と1.5万人を割り込んで以降、新潟県では年間約500人ずつ出生数が減少していることになります。

一方、死亡数についても出生数と同様に試算してみたところ、30,312人と2018年に続いて3.0万人を超えるものとみられます。

その結果、2019年の新潟県の自然増減数は16,421人の自然減となるとみられます。2000年代に入り、自然減となって以来、その減少数は拡大傾向にあります。

まとめ

以上のように、出生数の減少と同時に死亡数の増加が続くことで、自然減の拡大がしばらく続くものとみられます。自然減の拡大を抑えるには、健康長寿とともに出生数を少しでも増やしていくことがますます重要になっているとみられます。

都道府県別の出生率(人口千人に対する出生数)をみると、2018年の新潟県は6.5と47都道府県中40位となっています。過去には、20位台~30位台で推移していた時期もありましたが、近年は40位台が定着しています。この背景には、合計特殊出生率の低さ(1.41・全国38位:2018年)や婚姻率(人口千人に対する年間婚姻届出数)の低さ(3.9・全国40位:2018年)などがあると考えられます。

結婚や出産の適齢期にある若者の県外流出の抑制を進めるとともに、真に出産や子育てに優しい環境を整えていくことが喫緊の課題であると考えられます。