新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。
当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。
当センターが独自に行っている 県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、 県内の景気動向を分析し基調判断をおこなっています。
今日は4月の基調判断を紹介します。
4月の基調判断:持ち直しの兆しがみられる県内経済
~生産活動は緩やかに持ち直している~
〇公共投資は持ち直している。
〇生産活動は緩やかに持ち直している。
〇個人消費は横ばいで推移している。
〇設備投資は下げ止まっている。
〇住宅投資は弱含んでいる。
〇総じてみると県内経済は持ち直しの兆しがみられる。
4月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。
公共投資の動向
4月の公共投資の基調判断は、「持ち直している」となっており、5カ月連続で前年を上回っています。
そこで、今月は持ち直し続けている公共投資の統計をみていきたいと思います。
東日本建設業保証株式会社が毎月発表している「前払金保証実績からみた公共工事の動向」をみると、3月の新潟県の公共投資請負金額は前年比25.5%増と5カ月連続で前年を上回りました。
それぞれ内訳をみると、市町村や国などからの発注が前年よりも多かったようです。
ちなみに、東日本建設保証株式会社とは、国や地方公共団体が工事の着工資金として建設企業に支払う前払金を保証する事業などを主におこなっている会社です。
▲公共工事請負金額の推移(前年同月比、発注者別寄与度)
2016年度は請負金額・件数ともに前年比プラスに転じる
新潟県の公共工事請負金額の過去10年間の推移をみると、2016年度は請負金額、件数ともに、もっとも少なかった15年度から持ち直しに転じた年となりました。補正予算に関連する工事の発注増加等があり3年ぶりに前年比でプラスとなりました。
(資料)前払金保証実績からみた公共工事の動向「平成28年度(年報)」
まとめ
先ほどみていただいたように、2016年度の公共工事は3年ぶりに前年比でプラスとなりました。17年度の県や市町村の公共工事関連予算は補正予算も含めると前年度とほぼ同水準となっているため、今後は横ばいで推移するものと思われます。