新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。
当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。
当センターが独自に行っている 県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、 県内の景気動向を分析し基調判断をおこなっています。
今日は5月の基調判断を紹介します。
5月の基調判断:持ち直しの兆しがみられる県内経済
~生産活動は緩やかに持ち直している~
〇雇用状況は改善している。
〇生産活動は緩やかに持ち直している。
〇個人消費は横ばいで推移している。
〇設備投資は下げ止まっている。
〇住宅投資は弱含んでいる。
〇総じてみると県内経済は持ち直しの兆しがみられる。
5月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。
雇用状況の動向
5月の雇用状況の基調判断は、「改善している」となっています。
そこで、今月は改善が続いている雇用状況の統計をみていきたいと思います。
4月の有効求人倍率(パートタイム含む全数・季節調整済)は前月比0.05ポイント上昇し1.48倍となり、4カ月連続で前月を上回りました。これは平成4年8月以来の高い水準となっています。
詳しくみてみますと、4月の新規求人数(同・実数)はサービス業や製造業などで増加して前年比6.0%増となり、6カ月連続で前年を上回りました。
一方、4月の有効求職者数(同・実数)は前年比5.7%減となり、88カ月連続で前年を下回り、有効求人倍率は24年ぶりの高水準となっています。
有効求人倍率(全数)
(資料)新潟労働局「一般職業紹介状況」「労働市場月報」
まとめ
先ほどみていただいたように、足元の有効求人倍率の水準は高く、企業側からすると人を採用しにくい状況にあり、実際、経営者からは「最近、人手が足りず受注を諦めるケースもでてきている」との話しを聞くようになりました。
先行きについては、依然として企業側の採用意欲が高い一方、求職者数の減少傾向が続いているため、県内の有効求人倍率は当面、高水準が続くと思われます。
今後、高水準が続くであろう有効求人倍率がどのように企業経営に影響を与えるかを注視していく必要があります。