新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。
当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。
当センターが独自に行っている 県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、 県内の景気動向を分析し基調判断をおこなっています。
そこで、今回は7月の基調判断を紹介します。
7月の基調判断:緩やかに持ち直している県内経済
~生産活動や個人消費は緩やかに持ち直している~
○生産活動は緩やかに持ち直している。
〇設備投資は緩やかに増加している。
○雇用状況は改善が続いている。
○個人消費は緩やかに持ち直している。
○住宅投資は弱含んでいる。
〇公共投資は下げ止まっている弱含んでいる。
○総じてみると県内経済は緩やかに持ち直している。
7月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。
県内の生産活動について
7月は「生産活動」「個人消費」の基調判断を上方修正いたしましたが、今回は、「生産活動」についてみていきたいと思います。
7月の生産活動の基調判断は「横ばい圏内で推移している」から「緩やかに持ち直している」へと変更しました。
まずは、新潟県が公表している『新潟県鉱工業生産指数(季節調整値)』をみると、6月は前月比0.5%上昇の104.7と5カ月連続で前月を上回っており、県内の生産活動は緩やかに持ち直しています。
▲新潟県鉱工業指数生産・出荷・在庫(季節調整値)
主な業種での生産活動について
つづいて、「新潟県鉱工業指数(季節調整値)」の動きを業種別にみていきたいと思います。
下のグラフをみると、「金属製品」や「食料品」などで緩やかに持ち直していることがうかがえます。
県内企業にヒアリングをすると、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要や首都圏での再開発案件の増加などから受注は堅調となっている」(金属製品)、「個人消費の持ち直しから、主力商品の販売も堅調となっている」(食料品)といった声が聞かれています。
▲主要業種の新潟県鉱工業指数(季節調整値)
まとめ
県内の生産活動は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要や個人消費の持ち直しなどから受注が堅調であるため緩やかに持ち直していると判断しています。その一方で米国の通商政策や金利上昇などから為替動向など不透明な材料があり、世界経済の減速も考えられるため、県内経済に与える影響について今後も注視していきたいと思っています。