新型ウイルス感染症により消費行動に影響がみられた品目(新潟県の景気動向2020年8月)

新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

当センターでは毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。

当センターが独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標を通じて、県内の景気動向を分析して判断をおこなっています。

そこで、8月の基調判断を紹介します。

 

アンケート 書籍 本 感想 景気 経済 調査

 

 

8月の基調判断:悪化が続いている
~県内経済は新型ウイルス感染症(COVID―19)の影響から厳しい状況が続く~ 

設備投資は減少している

雇用状況は悪化している

個人消費は減少しているものの、下げ止まりの兆しがみられる

総じてみると、県内経済は悪化が続いている。なお、新型ウイルス感染症(COVID―19)の影響から厳しい状況が続く

8月は上記のとおり判断しました。詳しくは「グラフで見る県内経済」をご覧ください。

~新潟県内の個人消費の動向(供給側)~

今月は個人消費についてみていきたいと思います。

8月の個人消費の基調判断は「減少しているものの、下げ止まりの兆しがみられる」と判断しました。

まずは、供給側の指標となる経済産業省が公表している「商業動態統計」を参考にして作成した「小売業販売額」と、国土交通省北陸信越運輸局新潟運輸支局が公表している「新潟県新車新規登録・届出台数調」の推移をみていきたいと思います。

7月の小売業販売額は前年比+5.8%となっています。百貨店・スーパーや家電大型専門店などで前年を上回り、6カ月連続で前年を上回っています。

また、8月の乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は前年比▲20.4%となっており、消費増税後、11カ月連続で前年を下回っています。

なお、県内企業へのヒアリング調査によると、外食や旅行などのサービス消費は緩やかに持ち直しつつあるものの、依然として厳しい状況が続いています。

小売業販売額(全店)

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)

小売業販売額

(資料)経済産業省『商業動態統計』

国土交通省北陸信越運輸局新潟運輸支局『新潟県新車新規登録・届出台数調』

~全国の個人消費の動向(需要側)~

次いで、全国の数字となりますが、需要側の指標となる総務省が公表している、「家計調査(2020年7月分)」の消費支出の対前年同月実質増減率の推移をみていきたいと思います。

7月の全国の消費支出(二人以上の世帯)は1世帯あたり、266,897円となりました。また、消費支出の対前年同月実質増減率をみると前年比▲7.6%となっています。さらに、すう勢的な動向をみるため、3カ月後方移動平均でみると、前年比▲8.7%となっているものの、5月を底に下げ止まりの兆しがみられます。

消費支出の対前年同月実質増減率の推移(二人以上の世帯)

消費支出

(資料)総務省『家計調査報告』

~新型ウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など~

さらに、先ほど紹介した総務省「家計調査(2020年7月)」から新型ウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目の動きを確認したいと思います。

新型ウイルス感染症により消費行動にプラスの影響を与えた品目についてみると、保健用消耗品(マスク、ガーゼ含む)が前年比+140.9%となり最も前年増加率が高くなっています。続いて、パソコン(前年比+129.1%)、チューハイ・カクテル(前年比+38.3%)などのいわゆる「巣ごもり消費」関連の品目が続いています。

一方、新型ウイルス感染症により消費行動にマイナスの影響を与えた品目については、パック旅行費が前年比▲89.1%となり最も影響を受け、続いて、航空運賃(前年比▲86.9%)、映画・演劇等入場料(前年比▲85.2%)などの外出・レジャー関連の品目が続いています。

新型ウイルス感染症により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など

新型ウイルス感染症により消費行動に大きな影響がみられらた品目

(資料)総務省『家計調査報告』

~まとめ~

県内および全国の個人消費の動向をみると、巣ごもり消費関連は好調に推移する一方、外出・レジャー関連は厳しい状況が続いています。

政府が緊急経済対策として推し進めている「 Go To Travel事業 」に加え、「Go To Eatキャンペーン事業」もこれから始まる予定となっていることなどから、今後、県内経済にどのような影響を及ぼすか注視していく必要があります。