新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。
今週末の8月11日は「山の日」です。
内閣府のWebSiteによると、
平成28年から、8月11日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として、国民の祝日「山の日」となりました。
これにより、「国民の祝日」の年間日数は、16日となりました。
内閣府「山の日」について 」http://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
と説明されています。
そこで、本日は山の日にちなんで「登山」に関する統計をご紹介いたします。具体的には、登山を日頃楽しんでいる人の数についてお知らせいたします。
※日本生産性本部「レジャー白書2017 」の出版により、参加人口などのデータが更新されたため、2017年10月20日に一部のデータや表現を修正・追加いたしました。
登山の参加人口
まずは、登山を楽しむ人の数を確認したいと思います。
そのため、日本生産性本部「レジャー白書2017」¹を活用させていただきます。「レジャー白書」は1979年から毎年実施されている歴史のあるデータです。調査方法や用語の説明などについては、こちらの「明日は映画の日~レジャー白書からみる映画の特徴~」で確認してみて下さい。
「レジャー白書」によると、1年間に1回以上、余暇活動をおこなった全国の人口を表す「参加人口」は、下の表の通りとなります(観光・行楽部門のみ掲載)。
このうち、登山の参加人口は2016年で650万人と観光・行楽部門の第10位となっています。なお、参考までにスポーツ部門と比べてみると、「ゴルフ(練習場)」や「キャッチボール、野球」「テニス」よりも多くなっており、登山の人気は相応に高いと言えるのではないでしょうか。
登山の参加人口の推移
続いて、「登山」の参加人口の推移を確認してみます。
この10年間でみると、2009年が最も参加人口が多かった年となります。その後は、年によって増減はあるものの、概ね減少傾向で推移しています。
登山の性・年代別の参加率
さらに、「登山」を1年間に1回以上おこなった人(回答者)の割合を示した参加率について、2016年時点で性・年代別に明らかにしたのが下の図です。
図をみると、男女とも60代と70代で参加率が高くなるという特徴がうかがわれます。ただし、参考までに6年前と比較すると、男性の50代以上での参加率が特に低下しています。したがって、登山の参加人口を増やすためには、もしかすると、男性の年配層での人気回復が鍵になるかもしれません。
なお、登山を楽しむ女性を「山ガール」と呼び、若年層での登山人気が注目された時期もありましたが、こうした動きは今回、ご紹介した統計データの中では、確認できませんでした。
高校での登山部員数の推移
以上で確認した参加人口は余暇活動の側面もあることから、続いて競技として登山をしている人の数をみていきたいと思います。
具体的には、統計データを公表・確認できる「高校生の競技人口」のみご紹介いたします。全国高等学校体育連盟「加盟・登録状況」をもとに、登山部員数の推移をまとめると以下のとおりとなります(以下、和暦で表示します)。
ご覧のとおり、28年度の男子で9,924人、女子で2,674人と他の人気のあるスポーツに比べて、競技人口は少ない状況です。しかしながら近年、競技人口は男女とも緩やかに上昇しています。
まとめ
他のスポーツに比べると、年代の高い層を中心に「登山」の参加人口が多く、正直、驚きました。
また、高校生の部活動人数をみても、登山の競技人口が着実に増えている点にも少々、ビックリしました。この傾向が続くと、いずれ10代や20代での「登山」の参加人口が増加に転じることも期待できそうです。
なお個人的には、20年近く登山をしたことがないので、今回、調べたことをきっかけに、今年の秋にでも、初心者用の山に挑戦してみようかと思いました。
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公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書」の統計データを活用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
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【追記(2017年10月20日)】
日本生産性本部「レジャー白書2017 」が出版されたことから、一部のデータや表現を修正・追加いたしました。