ワークショップ(会議)で出された意見・アイデアのまとめ方

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

新型ウイルスの感染防止の観点から、社内外の会議を減らす、または会議をする際には少人数・短時間にする、といった工夫をしている企業の方々も多いのではないでしょうか。

ただし、報告・伝達するような会議ではなく、アイデア出しの会議(ワークショップ)の場合は、少人数・短時間で上手く運営するのに苦労するケースも多いと思われます。

そこで、アイデア出しの会議を効率的に進める際に参考となる書籍を本日はご紹介したいと思います。

 

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園部浩司著「ゼロから学べる!ファシリテーション超技術」の感想

ご紹介する書籍は、園部浩司(2020年)『ゼロから学べる!ファシリテーション超技術』かんき出版 です。会議の参加人数は何人がベストか?といった細かな点から、 会議前の進行表の作成方法、 会議ルールの決め方、良い質問の仕方、意見の引き出し方、参加者に質問を投げかける際に気をつける点、出された意見の可視化・整理方法、合意形成の進め方、会議開催の準備チェックリストの作り方、そしてファシリテーターの心構えまで、多岐にわたって事例とともに明示されています。

こうした中、特に私自身が参考になったのが、意見の可視化・整理方法です。具体的には、付箋を使って、参加者からアイデアを書いてもらう方法が紹介されているのですが、その付箋のまとめ方が新鮮でした。

実際、付箋を使ってアイデア出しをする会議を自分自身が運営したり、受講者として参加したりすることがよくあります。ただし、書かれた付箋を上手くまとめる作業は意外に難しいと感じていました。

本書では、付箋のまとめ方をルール化することで、作業の難易度を下げ、誰がまとめても、その出来上がり具合をある程度、標準化できるように工夫しています。より具体的には、会議参加者から書き込んでもらった付箋を回収しながら、まとめてく場面のテクニックです。

1 一番近くにいる人に、「なんでもいいので1枚ください」と言って付箋を受け取る
2 その人が書いてくれた意見を読みながら、模造紙の左端に貼る。
3 「似たような意見を持っている人ください」と声をかけ、付箋をもらう
4 似た意見の付箋を回収したら、2で貼った付箋の下に順番に貼っていきカテゴライズする
 
ここで縦1列が完成します。その縦1列は、似たような意見が集まった列ですから、おのずと1つのカテゴリが完成した、と言えます。

2列目も同様の手順で進めていきます

これを、全員の付箋がなくなるまで繰り返していきます。

すべての付箋を貼り終えたときには、いくつものカテゴリができているはずです。その数は、7~10を目安にしてください。


園部浩司(2020年)『ゼロから学べる!ファシリテーション超技術』かんき出版

以上のようにまとめていくと、7~10列にまとめられた付箋の一覧ができあがります。その後に、話し合いながらカテゴリごとに「見出し」をつけ、さらに感想を述べ合って議論を深めていくようです。上記で紹介した方法はひじょうに些細な点に思われるかもしれませんが、こうしたまとめ方によって、会議の流れ・方向性が変わる場合があるので、とても参考となりました。

まとめ

本書では、実際の会議の事例(誌上実況)が記載されているなど、全体的に極めて実践的な内容となっており、「今、参加している会議をすぐにでも変更したい」と思っている方には、特に有益な内容となっています。

また、最近、急速に拡がっているオンライン会議のやり方についても、細かく言及されています。例えば、各オンライン会議ツールの紹介から、カメラの位置・距離、オンラインでの話し方、意見の可視化・意見の引き出し方まで細かく説明されています。オンライン会議で困っている人にも有益なので、きっと参考となるでしょう。