3分でわかる!新潟県の地価公示調査(令和2年)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

新潟県が2020年3月に県内の地価調査地点434地点の地価公示結果を発表しました。「地価公示」とは、国土交通省が 毎年1月1日現在で標準地の価格調査を実施し、その結果を公表しているものです。本日はこの結果についてご紹介します。

 

「公示地価」とは?

公示地価は、 「適正な地価の形成(土地取引)に寄与すること」を目的として、毎年1月1日時点で標準地の価格調査を実施したもので、国土交通省から結果が公表されます。令和2年度の調査地点をみると、全国で2万6千地点、県内では 434地点となっています。

公的機関が発表する主な地価の指標としては、公示地価のほかに基準地価などがあります。

公示地価と基準地価を比べてみると、実施目的では「土地取引の指標」と共通している一方、 調査時点では公示地価が1月1日となっているのに対し、基準地価は7月1日という違いなどがあります。

公示地価、基準地価の違い

(資料)新潟県土木部「令和2年地価公示のあらまし」

新潟県の公示地価は25年連続で下落

県内の全用途平均の地価は前年度の調査から▲0.6%と、1996年以来25年連続の下落となりました。ただし、下落の幅は2011年以降10年連続で縮小しています。

また、地価が上昇した地点をみると、前年度は87地点であったものが96地点に増えているほか、今回調査では新潟市以外でも長岡市、上越市、新発田市、見附市で上昇地点が現れました。

これらのことから、県内の地価は下げ止まっており、その動きが広がりつつあることがうかがえます。

一方、全国では全用途平均の地価で+1.4%となっており、5年連続で上昇し、かつ上昇幅が拡大しています。全国の結果と比べると、県内の地価の回復状況は鈍くなっています。

(資料)新潟県土木部「令和2年地価公示のあらまし」

地価の上昇地点は新潟市に集中

地価が前年度と比べて上昇した地点96地点のうち、88地点は新潟市内となっています。上昇地点の9割以上を新潟市が占めており、県内の地価の回復は新潟市に集中する傾向が続いています。その要因として、新潟市が県人口の約35%を占めていること、県内における都市機能が集中していることなどがあります。

新潟市では新潟駅や駅周辺整備事業が進んでいます。新潟市のなかでも中央区をはじめ、新潟駅と距離的に近い、またはアクセスが良い東区、西区、江南区の住宅地の地価が上昇傾向にあります。今回調査では、前述した4区のほかに秋葉区の上昇地点が増加しており、地価上昇は新潟市内で広がりをみせているようです。

妙高市、湯沢町の商業地では地価が改善。前年比横ばいに

今回調査の特徴的な動きとして、妙高市赤倉地区と湯沢町の商業地の地価改善が挙げられます。

両地域に共通しているのは、 スキー客を中心にインバウンドの誘致に成功 しているところです。湯沢は東京から新幹線で訪れることができるアクセスの良さから、台湾や中国を中心にスキーや雪遊びを楽しむ外国人客が年々増加しています。一方、妙高市赤倉地区ではオーストラリアのスキー客の誘致に取り組んでおり、冬の間に長期滞在するオーストラリア人も多くなっています。

両地域では外国人による別荘地や宿泊施設への需要が増加したことにより、地価が下げ止まったことが考えられます。全国的にみても、都市部以外で地価が上昇している地域は観光地、特にインバウンド需要の高い地域となっており、この傾向が県内でもみられているようです。

まとめ

今回の調査では、県内の地価が下げ止まっており、その動きは広がりつつあることがわかりました。地域別でみてみると、再開発への期待感などから新潟駅を中心とした地価上昇が続く一方、新潟市内以外でもインバウンドの取り込みに成功している湯沢町や妙高市では地価が下げ止まるといった動きが特徴的でした。

ただし、新潟県は人口減少・少子高齢化が進んでおり、今後大幅な地価の上昇への期待は持ちづらいと考えられます。また、足元では新型ウイルスの影響から県内経済は悪化しており、感染拡大の程度や収束時期によっては影響がさらに拡大することが懸念されています。地価の動向は景気に左右されることから、県内景気の先行きには注意していく必要があります。


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本投稿は新潟県土木部用地・土地利用課「令和元年度新潟県地価調査結果の概要について」「令和2年地価公示のあらまし」のデータ等を活用させていただきました。この場を借りて感謝申し上げます 。

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