インバウンドが盛んな都道府県は?外国人観光客数(延べ宿泊者数)のランキング(2020年)

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

毎年、お問い合わせの多い「外国人延べ宿泊者数」について、最新の結果を本日はご紹介したいと思います。なお、2020年は新型ウイルスの影響によって従来のデータとは大きく異なっているので、ご注意ください。

※昨年の結果は「インバウンドが盛んな都道府県は?外国人延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2019年)」をご覧ください。

 

インバウンド 外国人 旅行者 宿泊者

※日帰りを含めた外国人観光客の動向を正確にとらえることは難しいことから、今回は、宿泊施設に宿泊した人数である「延べ宿泊者数」を観光客に置き換えて把握することにします。

外国人延べ宿泊者数の推移(2020年)

2020年の外国人延べ宿泊者数については、観光庁『宿泊旅行統計調査』を使って、その人数を確認したいと思います。

まずは、2020年の「外国人延べ宿泊者数」をみると、前年比82.4%減の約2,035万人泊となりました。調査対象が年間を通して拡充された2011年以降では、最も少ない宿泊者数となりました。

外国人延べ宿泊者数の推移-2020年

同様に私たちが住む新潟県の「外国人延べ宿泊者数」をみると、前年比46.9%減の約26万人泊となりました。これは5年前とほぼ同じような水準(2015年:26万人)となっています。

都道府県別にみた外国人延べ宿泊者数(2020年)

次いで、2020年の「外国人延べ宿泊者数」を都道府県別にみると、最も宿泊者数の多い都道府県は東京都となっています。以下、大阪府、北海道、京都府、千葉県、沖縄県などが続いています。上位の都道府県については前年から大きな変化はありませんが、北海道、千葉県が順位を1つ上げた一方、京都府、沖縄県が順位を1つ下げました。

なお、
「外国人延べ宿泊者数」 の「前年比減少率」をみると、全ての都道府県で大幅な落ち込み幅となっているものの、和歌山県と香川県が前年比89.5%減と最も大きな減少幅となっているほか、奈良県(前年比89.4%減)、静岡県(同89.3%減)、佐賀県(同88.2%減)、島根県(同87.2%減)と広島県(同87.2%減)などが続いています。

都道府県別の外国人延べ宿泊者数・2020年

一方、新潟県の「前年比減少率」は前年比46.9%減の47位となり、最も落ち込み幅が少なくなりました。なお、福島県(前年比59.2%減)が46位、山形県(同62.6%減)が45位、長野県(同59.2%減)が44位となっており、隣接県の落ち込み幅も全国に比べれば緩やかなものにとどまりました。

外国人延べ宿泊者数の割合(2020年)

さらに、「外国人延べ宿泊者数」という人数(規模)だけではなく、日本人などを含めた「延べ宿泊者数」全体に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合も確認してみたいと思います。人数だけでは分からない、インバウンドの「依存度」をみてみましょう。

「延べ宿泊者数」全体に占める「外国人延べ宿泊者数」の割合を算出すると、大阪府が16.4%と最も高い割合となっています。当然ながら、昨年の37.8%からより21.4ポイント低下しています。以下、東京都、京都府、北海道、山梨県などが続いています。上位の都道府県については、大阪府と東京都が順位を1つ上げ、京都府と沖縄県が順位を2つ下げた結果となっています。

一方、新潟県の順位は14位と前年の36位から大きく上昇しました。

延べ宿泊者数に占める外国人延べ宿泊者数の割合・2020年

月別の推移(2020年)

続いて、月別の宿泊者数の推移も確認してみます。2019年の全国の動きをみると、4月が最も多く、以下、7月、10月の順位となり、反対に9月のほか、冬場がやや少ない傾向がみられました。しかし、2020年は感染拡大に伴い、2月から低下し始め、特に4月以降は低迷が続いた1年となりました。

月別にみた外国人延べ宿泊者数の推移・全国・2020年

なお、新潟県では、スキー場を訪れる外国人宿泊者が多いこともあり、12~2月に宿泊者が集中し、その反面、冬場以外は低迷するのが2019年までの動きでした。しかし、2020年は1~2月まで前年並みから前年を上回って推移したものの、3月以降は低迷が続く年となりました。他の地域に比べて、1~2月の宿泊者が多かったことが「外国人延べ宿泊者数」の「前年比減少率」が緩やかにとどまった要因の一つとみられます。

月別にみた外国人延べ宿泊者数の推移・新潟・2020年

国籍(出身地)別にみた外国人延べ宿泊者数(2020年)

参考までに「外国人延べ宿泊者数」を国籍(出身地)別にみると、中国が最も多く、以下、台湾、アメリカなどが続いています。前年と比べると、アメリカと香港が順位を1つ上げ、韓国が順位を2つ下げています。

国籍別にみた外国人延べ宿泊者数・全国・2020年

※国籍(出身地)別にみた外国人延べ宿泊者数は「従業者数10人以上の施設」に対する調査の結果です

一方、新潟県では台湾が最も多く、以下、香港、中国、オーストラリアの順です。香港と中国の順位が入れ替わった格好となっています。

国籍別にみた外国人延べ宿泊者数・新潟・2020年

※国籍(出身地)別にみた外国人延べ宿泊者数は「従業者数10人以上の施設」に対する調査の結果です。

まとめ

冒頭にお伝えしたとおり、2020年の宿泊者数は新型ウイルスの影響により、従来とは大きく異なる結果となっています。したがって、以下に示すような過去のデータと組み合わせて注意しながら、お読みいただけますと幸いです。

なお、足元では感染者数の拡大が続くなど、宿泊業界にとって極めて厳しい局面が今後も続くと思われます。宿泊業における今後の経営のヒントとして、「収益性の高い観光地を指して」をはじめとした「観光振興・温泉地活性化」に関する投稿もありますで、ご参照いただければ助かります。

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参考:本調査の調査対象は以下のとおりです。

統計法第27条に規定する事業所母集団データベース(総務省)を基に、国土交通省観光庁で補正を加えた名簿から、標本理論に基づき抽出されたホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など。

調査対象施設については、従業者数に応じて以下のとおりとなります。

  • 従業者数10人以上の事業所 : 全数調査
  • 従業者数5人~9人の事業所 : 1/3を無作為に抽出してサンプル調査
  • 従業者数0人~4人の事業所 : 1/9を無作為に抽出してサンプル調査