観光客が多く訪れる都道府県は?延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2020年)

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

本日は毎年、ご紹介している「宿泊者数の都道府県別の動向(2020年)」について、お知らせいたします。なお、2020年は新型ウイルスの影響によって従来のデータとは大きく異なっていますので、ご注意ください。具体的には、2019年の結果を示した「観光客が多く訪れる都道府県は?延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2019年)」を合わせてご覧ください。

なお、2019年の結果については、「観光客が多く訪れる都道府県は?延べ宿泊者数の都道府県ランキング(2019年)」をご覧ください。

 

旅行者

※日帰りを含めた観光客の動向を正確にとらえることは難しいことから、今回は、宿泊施設に宿泊した人数である「延べ宿泊者数」を観光客に置き換えて把握することにします。

延べ宿泊者数(2020年)

宿泊者数の動向については、観光庁『宿泊旅行統計調査(年の確定値)』を活用しながら、確認していきます。

まず、全国の「延べ宿泊者数」(2020年)をみると、前年比44.3%減の約3億3,165万人泊となりました。調査対象が年間を通して拡充された2011年以降では、最も少ない宿泊者数となりました。

このうち、日本人延べ宿泊者数は前年比35.2%減の3億1,131万人泊となり、2011年以降、過去最少の人数となりました。また、外国人延べ宿泊者数は同82.4%減の2,035万人泊となり、現在の調査形式となった2011年に次ぐ、過去2番目の少なさにとどまりました。

延べ宿泊者数の推移・2020年

なお、年々、上昇を続けていた「延べ宿泊者数に占める外国人の割合」をみると、2019年の19.4%から2020年は6.1%まで低下しました。

延べ宿泊者数に占める外国人延べ宿泊者数の割合-2020年

一方、私たちが住む新潟県の「延べ宿泊者数」(2020年)は前年比36.2%減の約697万人泊となりました。落ち込み幅は全国(44.3%減)よりも緩やかだったたものの、2011年の調査以降、過去最少の人数です。

参考まで、全国の「延べ宿泊者数」を月別にみると、2020年3月から顕著に落ち始め、緊急事態宣言が初めて発出された4~5月にかけて大きく落ち込み、その後、Go To トラベル事業が開始されたこともあり、年後半には緩やかに回復したものの、全国も新潟も低調に推移した1年となりました。

月別にみた延べ宿泊進数の推移・2020年

月別にみた延べ宿泊進数の推移・新潟・2020年

都道府県別にみた延べ宿泊者数(2020年)

全国の「延べ宿泊者数」を都道府県別にみると、2020年で最も「延べ宿泊者数」の多かった都道府県は東京都でした。以下、北海道、大阪府、神奈川県、静岡県、千葉県、京都府、沖縄県、長野県、愛知県などが続いています。前年に比べ、北海道、神奈川県、静岡県、長野県などが順位を上げる一方、大阪府、京都府、沖縄県などが順位を下げました。

なお、
「延べ宿泊者数」 の「前年比減少率」をみると、大阪府(前年比58.4%減)と沖縄県(同58.0%減)で落ち込み幅が特に大きくなっているほか、京都府(同54.8%減)、東京都(同52.2%減)、山梨県(同51.9%減)、千葉県(同51.7%減)で50%以上の落ち込み幅となっています。

一方、新潟県の「前年比減少率」は36.2%減と大きく前年を下回ったものの、全国では31番目の落ち込み幅だったことから、「延べ宿泊者数」の順位は14位となりました。広島県や宮城県を上回り、前年より順位が2つ上がりました。

都道府県別の延べ宿泊者数・2020年

客室稼働率の推移(2020年)

続いて、宿泊施設の「客室稼働率」をみてみましょう。全国における「客室稼働率」は、2020年で34.3%となりました。「延べ宿泊者数」の推移と同様に、「客室稼働率」は前年に比べ30ポイント近く低下し、2011年以降、過去最低を記録しました。

客室稼働率の推移・2020年

2020年の客室稼働率を施設タイプ別にみると、ビジネスホテルが42.8%(前年差28.5ポイント減)と最も高く、以下、シティホテルが34.1%(同45.4ポイント減)、リゾートホテルが30.0%(同28.5ポイント減)、旅館が25.0%(同14.6ポイント減)などと続いています。

施設タイプ別の客室稼働率・2020年

一方、新潟県の「客室稼働率」は2020年で30.5%となり、2011年以降、過去最低となりました。全国平均を3.8ポイント下回り、全国で40番目の水準にとどまりました。

2020年の稼働率を施設タイプ別にみると、新潟県内ではビジネスホテルが48.0%(前年差19.0ポイント減)と最も高く、以下、会社・団体の宿泊所が42.9%(同10.3ポイント増)、シティホテルが37.2%(同31.2ポイント減)、リゾートホテルが19.2%(同16.7ポイント減)、旅館が18.8%(同7.4ポイント減)などとなっています。

次いで、「客室稼働率」を都道府県別にみてみましょう。2020年で最も「客室稼働率」が高かったのは山口県で45.1%(前年差9.7ポイント減)でした。以下、埼玉県が44.8%(同25.4ポイント減)、神奈川県が42.8%(同27.6ポイント減)、島根県が42.8%(同12.5ポイン減)、茨城県が42.4%(同17.1ポイント減)などとなっています。前年1位の東京都が33.6%で36位、前年2位の大阪府が27.8%で43位となるなど、順位は大きく変動しました。

これに対して、新潟県の「客室稼働率」は先程ご紹介したとおり、30.5%と全国で40位となったものの、前年に比べ順位を5つ上げています。

都道府県別の客室稼働率・2020年

感想

冒頭にお伝えしたとおり、2020年の宿泊者数は新型ウイルスの影響により、従来とは大きく異なる結果となっています。したがって、以下に示すような過去のデータと組み合わせて注意しながら、お読みいただけますと幸いです。

なお、足元では感染者数の拡大が続くなど、宿泊業界にとって極めて厳しい局面が今後も続くと思われます。宿泊業における今後の経営のヒントとして、「収益性の高い観光地を指して」をはじめとした「観光振興・温泉地活性化」に関する投稿もありますで、ご参照いただければ助かります。

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参考:投稿で使用した観光庁「宿泊統計」の調査対象は以下のとおりです。

統計法第27条に規定する事業所母集団データベース(総務省)を基に、国土交通省観光庁で補正を加えた名簿から、標本理論に基づき抽出されたホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所など。

調査対象施設については、従業者数に応じて以下のとおりとなります。

  • 従業者数10人以上の事業所 : 全数調査
  • 従業者数5人~9人の事業所 : 1/3を無作為に抽出してサンプル調査
  • 従業者数0人~4人の事業所 : 1/9を無作為に抽出してサンプル調査