新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。
私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。
今月の「センター月報4月号」では、掲げた目標を達成するためのヒントについて、ご寄稿いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。
目標が実現できない要因
当時、無職無収入で全治6か月の怪我で入院していた私は藁にもすがる思いで次のようにノートに書きました。
…事実だから書きますが1カ月遅れでそれは実現しました。自分でもかなり驚いたことを今でも覚えています。
思い返すと私は小学生くらいのときから言葉を紙にデカデカと書いて自分の部屋の壁や天井にぺたぺたと貼っていました。テストの間際になると「目標80点。根性!」などと習字の筆で紙に大きく書いて勉強机の前に貼り、満足していました。
その習慣は中学、高校、大学、会社員、独立後も続きました。実は今でも仕事場の壁に書き込みをした紙がたくさん貼っ てあります。(中略)
私は目標が実現できない要因は次の3つだと考えています。
(1)目標がない(2)目標があいまい
(3)目標を忘れる
そもそも(1)では目標を実現はできません。(2)も「幸せになりたい」「自由に生きたい」「いつか海外で暮らしたい」などというあいまいな目標では神様も対応に困るはずです。そして、私は案外(3)も目標実現を妨げる要因として多いのではないかと考えています。
この記事が掲載されるのは4月号ですが、さてあなたは2019年のお正月に立てた今年の目標を覚えていますか?もしかすると忘れている方も多いのではないでしょうか。
「宣言効果」
大勢の人の前で「私は〇〇を実現します」と公言してしまうと、後には引けなくなって、その目標実現のために行動をせざるを得なくなり、結果として目標が実現されることが多くなる…このことを心理学では宣言効果といいます。
もちろん、みんなの前で宣言しただけでは必ずしも目標の実現が保証されるわけではありませんが、人には一貫性の原理という「自分の主義主張と行動を一致させたい」という願望があるので実現確率は上がる可能性があります。
学生時代の私も部屋の壁や天井に目標を書くことで家族や友人に向かって宣言をして、自分でモチベーションを上げて、言行一致を行わざるを得なくなり、その結果として懸命に試験勉強を行っていたのかもしれません。そういう意味では紙に書いたことが実現に向かうというのは正しい。
学生時代の私も部屋の壁や天井に目標を書くことで家族や友人に向かって宣言をして、自分でモチベーションを上げて、言行一致を行わざるを得なくなり、その結果として懸命に試験勉強を行っていたのかもしれません。そういう意味では紙に書いたことが実現に向かうというのは正しい。(中略)
繰り返して「書く」「見る」「読む」「想像する」とその言葉や実現イメージが無意識に染み入り、潜在意識を変えます。そして行動が変わります。行動が変わると生活習慣が変わります。習慣が変われば結果が変わり、それが人生を変える…心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。だから気がつくと目標は実現してしまう、ということ。
その意味では目標を自分の手で書いて、それを壁に貼ったり、手帳に書き込んで、毎日その目標を目にして、折に触れて口にする、さらに周りに公言する、何度も実現を夢想する、ということは、まさにコツコツと点滴で石を穿つ作業だといえます。
そのため私は今でも目標を紙に書いて壁中に貼っています。
手帳にも書いて移動中に目にしています。寝る前も起きたときも独り言で目標をつぶやいてイメージしています。
もし、あなたも今年中に実現したいことがあれば、書いて、見て、口にして、イメージしてみては?。
酒井とし夫(2019)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第37回」『センター月報』2019年4月号
感想
やはり漫然と過ごしていては、目標は達成できないということを改めて実感しました。目標を日々繰り返して書いて、見て、読みながら意識づけしていきたいと思います。