外国人雇用に関するレポートをまとめました

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

足元では、新型ウイルスの感染拡大により、外国との往来が制限されていることから、海外からの観光客の来日はもちろんのこと、日本での就労や技能実習などを目的とした外国人労働者の皆さんの往来も制限されています。

しかし、新型ウイルスの感染が拡大するまでは、 企業活動がグローバル化する一方、企業における人材不足が深刻化するなか、外国人を雇用する動きが広がっていました。

以上のような状況のなかで、新潟県における外国人雇用の現状を整理するとともに、企業が外国人を雇用する際の課題と、雇用促進上のポイントについてレポートをまとめました。

 

外国人雇用の概要

厚生労働省によると、日本において外国人が就労活動を行なうには「出入国管理及び難民認定法」で定められている在留資格の範囲内とされています。在留資格とは、日本国内で外国人が認められる活動を示す資格のことで、具体的な活動内容や在留資格に応じた在留期間等が定められています。

法務省出入国在留管理庁「在留資格一覧表(2019年11月現在)」によると、在留資格は29あります。この29の資格について、厚生労働省や法務省などでは、①制限なく就労可能、②制限付きで就労可能、③許可を受けて一定の範囲内で就労可能の3つの区分から大きく5つに分けています。この5つとは、①専門的・技術的分野の在留資格、②特定活動、③技能実習、④資格外活動、⑤身分に基づく在留資格です。

なお、厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況」によると、19年10月末現在、特定技能の在留資格の外国人労働者数は、全国で520人、新潟県では5人となっており、本格的な増加はこれからとみられます。

外国人雇用の現状

レポートでは、先日このブログで投稿した新潟県の外国人労働者数が1万人超え で紹介した全国と新潟県の外国人労働者数や受け入れる事業所数の推移についてまとめています。

加えて近年、新潟県で特に増加が顕著な「専門的・技術的分野の在留資格」と「技能実習」の概要について紹介しています。

そのなかの技能実習制度は、1993年に技術移転を通じた開発途上国への国際協力を目的に制度化されたもので、技能実習生の受入方式には、企業単独型と団体監理型の2つがあります。企業単独型とは、日本の企業などが海外の現地法人や合弁企業などの職員を受け入れて技能実習を実施する方式のことです。

一方の団体監理型とは、事業協同組合や商工会議所、商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、組合員や会員などの企業などで技能実習を実施する方式です。なお、監理団体は国の許可が必要で、さらに特定監理事業と一般監理事業の2つの区分があります。特定監理事業の許可で技能実習1号から2号まで、一般監理事業の許可で技能実習1号から3号までの監理事業を行なえます。

新潟県内には、監理団体が22団体あり(20年4月15日現在)、一般監理事業を行なえる団体が16団体、特定監理事業を行なえる団体が6団体あります。レポートでは、新潟県内における監理団体の具体例として、一般監理事業を行なっているグローバルサポート協同組合の事例を紹介しています。

新潟県における外国人雇用の事例

外国人雇用には様々な課題があるとみられますが、課題を乗り越え外国人を受け入れている県内企業があります。レポートでは、県内で専門的・技術的分野の人材を活用している事例としてフジイコーポレーション株式会社(燕市)と技能実習制度を活用している事例として株式会社堀川(聖籠町)と株式会社アサヒ(燕市)を紹介しています。

フジイコーポレーション株式会社の事例では、 留学生を中心とした外国人の入社希望を広く受け入れている様子を紹介しています。また、 株式会社堀川の事例ではベトナムからの技能実習生を、株式会社アサヒの事例では中国からの技能実習生をそれぞれ受け入れてきた経緯や現状などについて紹介しています。

外国人労働者を雇用する際のポイント

レポートでは、県内企業の事例などをふまえ、外国人雇用を進めるうえでのポイントを3つに整理しています。

(1)誰もが働きやすい会社・職場づくり

(2)継続して採用・雇用

(3)監理団体との連携

おわりに

日本の生産年齢人口は、中長期的には減少することから、企業の人材獲得を巡る環境はますます厳しくなっていくものと予想されてきました。

しかし、足元の新型ウイルスの感染拡大は実体経済に大きなマイナスのインパクトがあり、国内の雇用を取り巻く環境や働き方にも大きな影響が出る可能性があります。今後は、本レポートで取り上げた外国人労働者の雇用についてはもちろんのこと、雇用・経済全般について十分に注視していく必要があると考えています。