新潟県内の外国人労働者数は1万人台で横ばい推移

新潟経済社会リサーチセンターの小林です。

新潟県の事業所で雇用される外国人労働者の方は、2019年に1万人を超えました(新潟県の外国人労働者数が1万人越え)。しかし、2020年初以降、新型ウイルスの感染が拡大するなか、海外との入出国制限などもあり、外国人雇用を取り巻く環境も大きく変わったものとみられます。

そこで1月下旬に厚生労働省より発表された 「外国人雇用状況の届出状況(令和2年10月末現在)」をもとに、最近の外国人雇用の状況をみてみたいと思います。

 

海外 国際 貿易 グローバル

全国の外国人労働者数は前年比6.5万人増の172.4万人

全国における2020年(10月末現在。以下、各年とも同じ)の外国人労働者数は172万4,328人となり、2019年(165万8,804人)から6.5万人の増加となっています。統計が存在する2008年以降、増加傾向で推移するなか、2019年から2020年にかけても増加となりました。

しかし、100万人を超えた2016年以降は、毎年約20万人ずつ増加していましたが、2020年は増加数が大幅に鈍化しています。2020年初来の新型ウイルスの世界的な感染拡大による入出国制限が大きく影響したものとみられます。

一方、外国人を雇用する事業所数も増加傾向にあり、2020年には26万7,243所と、2019年(24万2,608所)から24,635所の増加となっています。この増加数は2018年(21万6,348所)から2019年 (24万2,608所) にかけての 増加数(26,260所)と同程度となっており、受け入れる企業・事業所の外国人を雇用する意欲は衰えていない様子がうかがえます。

2020年の外国人労働者を国籍別にみると、最も多いのはベトナムで44万3,998人、次いで中国(41万9,431人)、フィリピン(18万4,750人)、ブラジル(13万1,112人)などとなっています。近年、ベトナムの増加が顕著となっていましたが、2020年にはこれまで最も多かった中国を抜き、ベトナムが最多となりました。

また、在留資格別にみると、これまで同様「身分に基づく在留資格」(54万6,469人)が最も多く、以下「技能実習」(40万2,356人)、「資格外活動」(37万346人)、「専門的・技術的分野の在留資格」(35万9,520人)などとなっています。なお、「専門的・技術的分野の在留資格」のうち「特定技能」(平成31年4月に創設された在留資格)は7,262人となっており、2019年(520人)から大幅に増加しています。これは、「農業」や「飲食料品製造業」「介護」などの特定技能に認められている 14の特定産業分野において、「技能実習」から「特定技能」に移行した人が増加したものとみられます。この背景には「技能実習」で技術や知識を習得した外国人の方を引き続き雇用したい企業・事業所サイドの思いと、引き続き日本に留まって技能を磨きながら働こうとする外国人の方の思いとが合致した結果とみられます。

新潟県の外国人労働者数は前年から横ばい

2020年の新潟県内の外国人労働者数は1万427人となり、2019年(1万430人)とほぼ同数となっています。新型ウイルスの世界的な感染拡大による入出国制限があるなか、昨年1万人超えとなった大台をキープする結果となりました。

一方、外国人を雇用する事業所数は、全国と同様に増加傾向にあり、2020年には2,075所と、2019年(1,909所)から166所の増加となり、過去最多となっています。

全国と同様、国籍別にみると、最も多いのはベトナムで3,301人、次いで中国(2,437人)、フィリピン(1,722人)、インドネシア(499人)などとなっています。新潟県の場合、2019年にベトナムが中国を抜き、2年連続でベトナムが最多となっています。

また、在留資格別にみると、新潟県では「技能実習」(4,357人)が最も多く、以下「身分に基づく在留資格」(2,747人)、「資格外活動」(1,560人)、「専門的・技術的分野の在留資格」(1,507人)などとなっています。特に、留学生などの「資格外活動」が2019年(1,963人)から400人あまり減少している一方で、「技能実習」については、2019年(4,272人)から85人増加しています。

また、新潟県内の「特定技能」は72人となり、2019年(5人)から大幅に増加しています。72人の特定産業分野別の内訳をみると、「飲食料品製造業」の50人が最も多く、以下「農業」(13人)、「素形材産業」(5人)、「産業機械製造業」(2人)、「宿泊」「外食業」(各1人)となっています。

まとめ

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のなか、国をまたぐ往来が世界的に制限されるなかにあっても、全国ならびに新潟県において、外国人雇用が堅調であることが分かりました。それは、受け入れ企業・事業所の数が増加していることからも、外国人の方を受け入れる意向のある企業がますます多くなっていることが背景にあると推察されます。

また、「特定技能」制度の創設から2年が経つなか、「技能実習」からの移行などにより「特定技能」の資格で雇用される外国人の方は増加しており、今後もしばらくは、この傾向が続くとみられます。

以上をふまえると、世界的な新型ウイルスのワクチン接種の浸透などにより新型ウイルスの感染が収束に向かった場合には、全国ならびに新潟県において、外国人雇用の増加の勢いが増していくことが予想されます。