経営のヒント~洋菓子店などの食料品の製造・販売で起業する際に知っておきたい3つのポイント~

新潟経済社会リサーチセンターの銀山です。

新潟県内で洋菓子店をはじめとした食料品の製造・販売業を起業後、順調に歩みだしている複数の経営者から、起業の経緯や起業の際に気をつけたことなどをお聞きする機会に最近、恵まれました。

一般的に、起業時は資金や顧客が限られており、経営を軌道に乗せるまでには苦労が多いものです。

今回、お話をお聞かせいただいたところ、起業後、円滑に会社を経営するには共通点があると感じましたので、本日はその点を参考までにご紹介したいと思います。

 

1.少品種でも採算が取れる高単価商品を扱う

起業時には、経営者1人、あるいは従業員が1人くらいという場合が多いのではないでしょうか。資金が限られているなかで、必要最低限の体制で起業することがセオリーです。

しかしながら、少人数で多品種の商品を生産していくのは難しいものです。このため、少品種で要領よく生産し、粗利をしっかりと取れるような仕組みを構築している企業様がいらっしゃいました。当然の話ですが、多品種から少品種にすることにより、段取りや手間が省けて生産にかける時間が単純に少なくなり、時間的に余裕を持った経営が可能となります。

また、高単価で販売できれば、粗利をしっかりと確保でき、必要となる客数も少なくなります。そうすると、接客などにもしっかり時間を掛けることができ、顧客満足度を上げることができます。

さらに、集客等に向けた情報発信などにも時間を割くことができます。近年は、SNS利用の普及により、低コストで情報発信できるようになってきています。このように、生産以外に時間を掛けられるような仕組みを構築することにより、得られるメリットは大きいです。

一方で、高単価で粗利を確保するためには、贈答向けの市場で販売することも大切となります。このため、良質な原材料を使用して高い品質を実現するのはもちろんのこと、洗練されたパッケージデザインや包装、さらには、おしゃれな店舗なども必要となります。こうしたデザインは、デザイナーなどの専門家に依頼して、ある程度の経費が掛かっても、しっかりと投資している事例を今回は聞くことができました。

2.パブリシティを有効活用する

起業時には、まずお店や商品を知ってもらうことが最も重要です。どんなに素晴らしい商品を製造していても知ってもらわなければ、商品を購入してはもらえません。資金が豊富であれば、大量に広告を打つことで、多くの人に周知させることができますが、資金の少ない起業時には通常、大量の広告することはできません。

そこで、順調に起業した事例をみると、雑誌や新聞、テレビ局などのマスメディアに店舗が新規開店するというプレスリリースを行ない、無料で取材してもらっています。店舗の開店情報は、タウン誌などでは取り上げてもらいやすいので、積極的にプレスリリースを行なったほうが良いでしょう。また、店舗のコンセプトが特徴的な場合、テレビや新聞などのメディアにも取り上げてもらいやすくなります。こうした観点からも、「誰に何をどのように提供するのかをしっかりと考え、特徴ある経営を行なっていくこと」が非常に重要になってきます。

3.専門家の知識を活用する

経営を続けていくためには、マーケティングやブランディング・財務・労務・法務・接客など、商品を製造する以外にも必要な知識は多いです。今回、お話をお聞かせいただいた企業様の事例をみると、公的な起業支援団体や商工団体、金融機関などから支援を受けながら、徐々に必要な知識を身につけて、起業時における課題に対応されていました。

具体的には、起業家向けセミナーや各種専門家の派遣制度を活用されています。これらのセミナーや専門家派遣は無料で提供される場合が多く、活用しやすいでしょう。

おわりに

新潟県の起業率は全国平均に比べて低い状況となっています。しかし、今回のお話をお聞かせいただくなかで、起業を成功させている事例も多いと感じました。

こうした成功事例に触れる機会が増え、それに触発された人が起業する、という好循環が回りだしていくことに期待したいと思います。