新潟経済社会リサーチセンターの金井です。
最近、通勤通学やコンビニ、スーパーなどいろいろなところで見かけることが多くなってきた「電子マネー」。利用店舗の拡大や利便性の高さなどを背景に、利用者は年々増加を続けています。
そこで、新潟県内における電子マネーの利用状況を探るため、新潟県内の勤労者とその同居家族2,000人(有効回答1,571人)に対してアンケート調査を実施しました。本日はこの調査の一部を紹介したいと思います。
新潟県内での利用は?
電子マネーの利用有無を尋ねたところ、「利用している」と回答した人の割合は50.7%となりました(図表2)。
性別では男性が52.1%、女性が50.1%となり、大きな差はみられませんでしたが、年代別にみると、「利用している」と回答した人の割合は10〜20代で77.2%と最も高くなるなど、若い年代ほど高い割合となっています。
当センターが2012年9月に行なった同様の調査と比較すると「利用している」と回答した人の割合は、25.6%から50.7%へと約2倍に上昇しています。
電子マネーの利用頻度
電子マネーを「利用している」と回答した人に、利用頻度を尋ねたところ、「週に2回以上」の割合が31.4%、「週に1回」が21.2%となり、これらを合わせた『週に1回以上』電子マネーを利用している人の割合は52.6%となりました(図表5)。
性別にみると、男性では「週に2回以上」の割合が女性と比べて高くなっている一方、それ以外の利用頻度では女性が男性を上回っています。
12年9月の調査と比べると『週に1回以上』の割合は10.4ポイント上昇するなど、利用頻度が高まっているとみられます。
電子マネーの1回あたりの平均利用金額
電子マネーを「利用している」と回答した人に、1回あたりの平均利用金額を尋ねたところ、「500円未満」の割合が22.5 %、「500円以上1,000円未満」が41.9%となり、これらを合わせた平均利用金額が『1,000円未満』の割合は64.4%となりました(図表6)。電子マネーは主として、小口決済手段として利用されていることがうかがえます。
性別にみると、男性では「500円未満」「500円以上1,000円未満」などの割合が女性よりも高くなっています。
一方、女性では「1,000円以上2,000円未満」「2,000円以上5,000円未満」などの割合が男性よりも高くなっています。
12年9月の調査と比べると、『1,000円未満』の割合は7.7ポイント上昇しており、1回あたりの平均利用金額は、より一層小口化しているとみられます。
今後の電子マネーの利用頻度
電子マネーを「利用している」と回答した人に今後の利用頻度を尋ねたところ、「これまでと変わらない」の割合が最も高く、55.6%となりました(図表9)。
その一方で「かなり増えそう」「やや増えそう」を合わせた『どちらかといえば増えそう』の割合は43.8%となり、「かなり減りそう」「やや減りそう」を合わせた『どちらかといえば減りそう』の割合を大きく上回っています。
まとめ
今回の調査結果によると、電子マネーを利用している人の割合は12年9月の調査から大きく増えて半数を超える結果となりました。
また、利用頻度については『週に1回以上』と回答した人の割合が上昇するなど電子マネーの利用頻度が高まる一方で、1回あたりの平均利用金額については『1,000円未満』の割合が上昇しており、決済金額の小口化が進んでいることがうかがえます。
さらに、今後の利用頻度について『どちらかといえば増えそう』と回答した人の割合は『どちらかといえば減りそう』の割合を大きく上回っており、電子マネーの普及は今後も続くと考えられます。
このようななか、電子マネーを悪用したトラブルも頻発しています。今後、電子マネーの利用拡大が見込まれるなか、利用者にはトラブルに巻き込まれないための対応が求められそうです。
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※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2018年7月号」をご覧ください。なお、アンケート調査結果の一部を紹介したため、図表2、図表5、図表6、図表9のみ掲載しました。
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