女性活躍推進に向けた県内企業の取組状況についてまとめました

新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

少子高齢化を背景に人口の減少が進んでおり、日本経済が今後も成長を続けていくためには女性の就労を促進するとともに、女性が個性と能力を発揮して活躍することが不可欠となっています。

また、女性活躍推進法が施行されるなど、女性にとって働きやすい環境を整えることがより一層企業に求められています。

そこで、当センターでは女性活躍推進の現状について整理するとともに、積極的に女性活躍推進に取り組んでいる県内企業の事例を踏まえたうえで、取り組みのポイントをまとめた調査レポートを作成いたしました。そこで、本日はその概要をご紹介します。詳しくは「センター月報2020年9月号 女性活躍推進に向けた県内企業の取組状況」をご覧ください。

 

女性活躍推進 写真

女性活躍推進法の概要

女性活躍推進法とは、女性が働きやすい環境づくりを企業に求める法律で、正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。喫緊の課題である女性活躍推進に向けて短期間で集中的な取り組みを進める必要があることから、10年間の期限がある時限立法として2016年4月に施行されました。

また、2019年5月に女性活躍推進法の一部を改正する法律が成立し、20年4月から順次施行されており、対象となる事業主が拡大される予定となっています。

県内の女性活躍の現状

(1)女性の有業率は全国を上回って推移

普段、収入を得ることを目的に仕事をしている、いわゆる「有業者数(15~64歳)」の推移をみると、新潟県では減少傾向をたどっています。一方、新潟県の女性の有業率(15~64歳の人口に占める有業者の割合)は緩やかに上昇しています。

男性の有業率はほぼ横ばいで推移しているのに対して、女性の有業率は振れを伴いながらも上昇しています。また、新潟県の女性の有業率は全国を上回って推移しています。

女性の有業率の推移

(2)管理職に占める女性の割合は全国よりも低い

本社役員、営業所長、総務課長など、課長以上の内部組織の経営・管理にあたる「管理的職業従事者」に占める女性の割合をみると、新潟県では緩やかな上昇傾向にあります。ただし、その割合は全国よりも低い水準にとどまっています。

管理的職業従事者に占める女性の割合

また、都道府県別にみても、新潟県は全国36位と低い水準にあるため、今後は女性の有業率を維持・向上させながら、管理職に占める女性の割合を高めていくことが新潟県の課題となっています。

 

都道府県別の管理的職業従事者に占める女性の割合

(3)ハッピー・パートナー企業の累計登録数は増加

新潟県では「ハッピー・パートナー企業」登録制度があります。これは、男女がともに働きやすく仕事と家庭生活等が両立できるように職場環境を整え、女性労働者の育成・登用などに積極的に取り組む企業等を「ハッピー・パートナー企業」として登録する制度です。

ハッピー・パートナー企業の累計登録数は2020年7月8日現在で1,095社となっており、制度が始まった06年から20倍以上増加しています。

取り組みの事例

新潟県内ではハッピー・パートナー企業の累計登録数が増えているほか、水準はまだ低いものの、管理職に占める女性の割合が徐々に上昇するなど、女性にとって働きやすい環境づくりが広がりつつあります。

こうしたなか、女性活躍推進に積極的に取り組んでいる県内企業について以下の3社を紹介しています。

■ 株式会社 第一印刷所(新潟市中央区)

女性が活躍できる場をつくるとともに、男性を含めた全従業員が働きやすい職場環境を整備した事例

■ 株式会社 フーゲツ(小千谷市)

常に経営を意識できる環境にして管理職に占める女性の割合が3割超になった事例

■ 社会福祉法人 見附福祉会(見附市)

仕事と家庭の両立ができるような職場環境を整備することで施設利用者の満足度が向上した事例

取り組みのポイント

紹介した事例を踏まえ、女性活躍推進を取り組むうえでのポイントについて以下の3つにまとめました。

①仕事と家庭の両立ができる職場環境を整備

②女性を管理職に登用するための機会の提供

③全従業員の納得感に配慮

おわりに

少子高齢化などによる労働力人口の減少が長期的に進むことが予想されているなかで、女性をはじめとする多様な人材や多様な働き方を受け入れることは優秀な従業員の確保につながるほか、受け入れた人材の能力発揮を通じて企業の競争力向上も見込まれると調査を通じて実感しました。

また、新型ウイルスの感染拡大は国内の雇用を取り巻く環境や働き方にも大きな影響を与えているため、女性も含めた多様な人材の活躍を進めることで、この難局に対応していくことが求められそうです。