県内企業のオンライン化やテレワークへの取組状況は?

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

新型ウイルスの影響などから、企業活動や企業で働く従業員の働き方が大きく変化しています。例えば、感染対策の一環としてテレワークが広がっていることに伴い、職場以外でも仕事や労務管理ができるように、オンラインを使ったツールやシステムの普及が進んでいます。また、営業活動や採用活動においても制限が続くなか、企業全体や自社商品の認知度向上やPRの場として、オンラインを活用する動きもみられています。

こうしたなか、当センターでは企業のオンライン化やテレワークの取組状況についてアンケート調査を実施しました。本日はその結果の一部をご紹介します。

 

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情報発信ツールとして「自社ホームページ」を利用している県内企業は86.0%

すべての企業に、自社で利用している情報発信のツールを尋ねたところ(複数回答)、「自社ホームページ」(86.0%)の割合が最も高くなりました(図表1)。以下「SNS」(28.3%)、「動画共有サイト」(14.7%)などが続いています。一方、情報発信ツールを「利用していない」は11.9%となりました。

業種別にみると、製造業、非製造業ともに「自社ホームページ」が最も高くなっているものの、製造業は非製造業に比べて「動画共有サイト」などの割合が高くなっている一方、非製造業では製造業に比べて「自社ホームページ」などがやや高くなっています。

【図表1:情報発信ツールの利用】

(業種別、複数回答)

規模別にみると、すべての規模で「自社ホームページ」が最も高くなっており、大企業と中堅企業では100.0%となっています(図表2)。また、大企業では「動画共有サイト」や「SNS」などが、中堅企業では「blog」が他の規模に比べて高くなっています。一方、中小企業では「利用していない」の割合が他の規模に比べて高くなっています。

【図表2:情報発信ツールの利用】

(規模別、複数回答)

県内企業の約7割が「Web会議システム」に取り組む

すべての企業に、オンライン化やテレワークへの取組状況について尋ねたところ(複数回答)、「Web会議システム」の割合が71.0%と最も高くなりました(図表3)。以下「オンラインストレージ」(26.7%)、「リモートアクセス」(26.5%)、「テレワーク」(22.4%)などが続いています。

業種別にみると、製造業は非製造業に比べて「Web会議システム」などの割合が高くなっている一方、非製造業では製造業に比べて「オンラインストレージ」などが高くなっています。

【図表3:オンライン化、テレワークへの取り組み】

(業種別、複数回答、上位項目のみ)

なお、当センターでは、2020年下期調査において同様の調査を実施しています(調査実施:20年11月)。参考までに20年下期調査と比べてみると、「Web会議システム」「勤怠管理」などの割合が上昇しています(図表4)。特に「Web会議システム」は5.3ポイント上昇と、この半年間で取り組む企業が増えていることがうかがえます。

回答企業からは「Web会議システムを利用したオンラインセミナーを活用することで、出張費用などが抑制できている」など、Web会議システムを利用し経費削減に成功したといった声のほか、情報システム系の企業からは「Web会議システムを導入する企業が増えたことから、関連するサービスの引き合いが増えている」など企業からの需要が増加しているといった意見が寄せられています。

【図表4:オンライン化、テレワークへの取り組み】

(20下期調査との比較、複数回答、上位項目のみ)

(注)テレワークについては21年上期調査より項目を追加

まとめ

今回の調査結果をみると、自社ホームページを利用している企業が86.0%、Web会議システムに取り組んでいる企業は71.0%となるなど、情報発信ツールや業務上の取り組みのなかでオンライン化が進んでいることが示されました。

一方、オンライン化への取り組みでは、「Web会議システム」の割合は7割台半ばとなっているものの、それ以外の取り組みは3割未満と低くなっているます。加えて、半年前に実施した20年下期調査と比べて「Web会議システム」の割合は上昇しているものの、それ以外の取組状況にほぼ変化がみらないことから、県内企業のオンライン化への取り組みは限定的かつ緩やかなペースで進んでいることがうかがえます。

足元で感染者数が増加しており、対面での企業活動は当面制限が続くとみられます。また、来月(21年9月)にはデジタル庁が新設されるなど、政府が「DX化」の進展を進めていることもあり、企業の業務オンライン化の流れは今後さらに進んでいくとみられます。今後も県内企業のオンライン化の動向に注目していきたいと思います。

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このアンケートは以前ご紹介した「2021年上期 新潟県企業動向調査」の中で尋ねた内容となっています。 本投稿は「Monthly」2021年8月号の「2021年上期新潟県企業動向調査」 を加筆修正したものです