新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。
私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。
今月の「センター月報6月号」では、他社との差別化を図る簡単な取組方法について、ご説明いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。
ひと言添える
商談が終わると営業マンは
「では、よいお返事をお待ちしています」
といいます。
ところが、私が知っているトップ成績を誇る営業マンはもうひと言付け加えて次のようにいっています。
「では、よいお返事をお待ちしています。期待しています」
この最後の「期待しています」のひと言がぐっと相手の心に深く残るのです。
ひと言を競合とは変える…これは営業マンの差別化戦術の1つです。
心理学の実験で献血を呼びかけるときに
「ぜひご協力をお願いします」
という場合より
「ぜひご協力をお願いします。期待していますので」
とひと言を付け加えると献血する人の割合が20%増えたという報告もあるのです。
そのため、私も普段から基本あいさつに差別化あいさつを付け加えるようにしています。例えば、
「はじめまして、酒井とし夫です」
というときも
「はじめまして、酒井とし夫です。今日はお会いできるのを楽しみにしていました」
と差別化あいさつをひと言加えるようにしています。
普通の人は「基本的なあいさつ」だけを口にする人が多いので、差別化あいさつを付け加えると相手の印象に強く残ります。
さらにお客様と別れるときも
「ありがとうございました」
という言葉にひと言を加えて
「今日はありがとうございました。御社からお声がけをいただいたことはとても光栄で、これからの仕事の励みになります。本当にありがとうございました」と伝えます。
そして相手の姿が完全にみえなくなるまでお見送りします。
分かれ際も競合とは変える…これも営業マンの差別化戦術の1つです。
(中略)
人間は最後の最後の印象がとても強く残ります。これを心理学で親近効果といいます。
あなたもご存知のとおり弱者の基本戦略は差別化です。
たとえ商品自体で差別化が難しくても、できることは山ほどありますネ。
酒井とし夫(2018)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第27回」『センター月報』2018年6月号
感想
たったひと言なのですが、それによって印象がかなり変わる時があるようです。
ところが実際に試してみると、このひと言がなかなか出てきません。とっさには、付け加えられないで、事前にある程度は用意しておく方が良いようです。