色を使った表現方法

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。

今月の「センター月報1月号」では、色を使った表現方法についてご寄稿いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

色を使った表現方法

新年を喜ぶ紅白

新年明けましておめでとうございます。
2020年の干支は「子」。ネズミは「寝ず身」ともいわれ、真面目にコツコツと寝る間も惜しんで働くと良い一年になるとのこと。
 
今年一年が皆様にとって健康でお仕事とご商売も「ねずみ算」式にどんどん増し栄える年となりますことを祈念申し上げます。
 
さて、お正月を代表する色といえば紅、白、金。白は「始まり」を表し、紅は「喜び」を意味します。つまり、紅白とは「新年」を「喜ぶ」という意味の色の組み合わせになります。
 
色といえば、以前ある方にこういわれました。
 
「酒井さんは色の表現がうまいですね」
 
「えっ?」
 
私は一瞬、その人が何をいっているのか分かりませんでした。
 
よく話を聞いてみると「会話の中で使う色の表現がうまい」ということでした。例えば私は次のような表現をします。
 
「その瞬間にドテンと転んだのですが、目の前には雲一つない真っ青な空が見えていました」
 
「新潟の冬の空は一面が曇天の鉛色です」
 
「私はサウナに入るとおでこに血管が浮き出て、目は真っ赤っかに充血してしまいます」
 
こういう会話のなかに出てくる「真っ青な」「鉛色」「真っ赤っか」という表現を指して「酒井さんは色の表現がうまいですね」といってくださったのです。
 
落語家が噺をすると、まるでその長屋の風景や熊さんの顔が頭に浮かぶことがありますが、仕事でも相手の頭のなかに「絵をイメージさせる」ことができると、説得力が増します。では、どのようにしたら相手の頭のなかに絵をイメージさせることができるか?
 
その方法のひとつが言葉に「色を含める」です。
 
(中略)
 
「今朝、雪が降っていました」よりも、「今朝、カーテンを開けるとあたり一面が真っ白な雪でおおわれていました」の方が頭に雪の絵が浮かびやすくなります。
 
「もうダメだ」よりも、「もうダメだ。目の前が真っ暗で何も見えない」の方が深い闇のなかにいる様子がイメージできます。
 
「昨日、食べた夕日のような真っ赤なトマトはみずみずしくて美味しかった」「黄金色の栗きんとんを頂きました」と説明すると、完熟トマトや甘い栗きんとんのイメージが頭に浮かびやすくなるわけです。
 
「彼はカンカンに怒っていた」
「彼は真っ赤になってカンカンに怒っていた」

「突然の出来事に震えた」
「突然の出来事に顔面が真っ青になって震えた」
 
「彼女は長く伸ばしていた髪をバッサリ切った」
「彼女は長く伸ばしていた緑の黒髪をバッサリ切った」
 
「あの人は意外に裏表があるよね」
「あの人は意外に裏表があって腹黒いよね」
 
「父は陽に焼けた顔をくしゃくしゃにして笑っていた」
「父は陽に焼けた赤茶色の顔をくしゃくしゃにして笑っていた」
 
このように話す言葉に「色」を使った表現を交えると、まさに会話に彩りが生まれ、臨場感が増し、セールスやプレゼン、交渉、スピーチの場での説得力も増します。

ちなみに文章を書くときにも下書きをしてから、編集の段階で「色」の表現をちりばめると、読む人はやはりそのシーンをイメージしやすくなります。

酒井とし夫(2020)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第46回」『センター月報』2020年1月号

感想

色を意識して、話したり、文章にしたりするだけで、印象がかなり変わるようです。

なお、酒井先生は今月の原稿を以下のように締められています。

ともあれ、今年も真っ赤に燃えさかる炎のような気持ちを持って、黄金色に光り輝く一年を過ごしましょう。