変化対応への最大の武器とは?

新潟経済社会リサーチセンターの江口知章です。

私どもの機関誌「センター月報」では、毎月、ビシネス心理学講師 酒井とし夫氏より、商売に役立つ心理学的なヒントやアイデアなどをご紹介いただいております。

今月の「センター月報10月号」では、 変化の波にさらされるなか、企業は何を武器にしていったらよいのか?についてご寄稿いただきました。本日はその原稿の一部をご紹介いたします。

 

大変化

最大の武器を活かす

2020年は新型肺炎という強力な外圧の影響で時代と社会の変化が一気に進みました。これから半年後、 一年後に日本はどうなるか、世界はどうなるか、おそらく誰も分からないし、何が正解かも分からないような大変化です。

このような変化の激流が大荒れにうねっているなかで中小個人企業はいったい何を武器にしたらよいのでしょうか?

私は【スピード】だと思います。誰にも正解が分からないのだから良いと思ったことはスピードを武器に小さくやってみる。試しに小さくやってみる。念のため小さくやってみる。そして走りながら修正してどんどん変化に対応することだと思います。

大きな組織体は大きいがゆえにスピードを持って変化に対応するのが苦手です。それに比べて中小個人企業はフットワークよく動きやすい。このスピードを持って変化に対応する力が一番の武器だと考えます。

ランチェスター経営の第一人者・竹田陽一先生からも「弱者は軽装備でフットワーク軽くスピードを持って、自分と相手の命に関わらないことで良いと思うことはどんどんやれ」と教えて頂いたことがあります。

そこで、今日はスピードを持って変化に対応した企業を紹介したいと思います。

私は8月に地元でオンライン講演会に登壇しました。カメラの前で私が話し、その様子をオンラインで全国に向けて放送しました。講演会を主催したのは新潟県糸魚川市に本社を構える(株)アド・クリーク。

元々、その講演会は(株)アド・クリークの歌川多喜司社長の「気持ちが沈みがちな地元の会社やお店に元気を届けたい」という気持ちを実現すべく、広い会場を確保して、そこに参加者を集めたリアル講演会を実施する予定でした。

ところが、開催の1週間前に糸魚川地域で新型肺炎の感染者が現れたため、会場での開催が難しくなりました。そのため私はその講演会は延期になると思っていましたが、歌川社長は「こんな時期だからこそどうしても開催したい。リアルが無理ならオンラインで開催しよう」と即決即断したのです。

しかし、その時点で社内にはオンライン講演会を運営したことのある経験者は一人もいませんでした。そこから1週間でオンライン放送のシステムを構築し、必要機材の手配と確保を行ない、配線を組み、配信テストを行ない、集客方法を変更し、見事に運営、設営、進行、マネジメントをスタッフ総出で行ないました。そしてなんと当日の視聴参加者は100名を超えました。

この規模の視聴者数のオンライン講演会を実施したのは民間企業では新潟県内では初だと思います。歌川社長はじめ社員の皆さんが変化から逃げることなく、スピードを武器に対応した成果です。

(中略)

私自身も8月にオンラインでのセミナーを10回近く開催して日本全国から参加者が集まる様子を目の当たりにして「今年は変化対応の大きなチャンスの年かもしれない」という思いを強くしています。

今年は変化の激流が大荒れにうねっています。行く先や正解は誰にも分かりませんがそのなかで中小個人企業は最大の武器である【スピード】を活かして変化に対応していきましょう。




酒井とし夫(2020)「街でみつけた商売繁盛心理学 今すぐできる選りすぐりのアイデア 第55回」『センター月報』2020年10月号

感想

何かを変えることには絶えずリスクがあり、面倒でもあるので、なかなか動けない時があります。

しかし、酒井先生のおっしゃるとおり、変化に対応することで、会社や個人の能力が高まり、新たなビジネスチャンスに出会えるチャンスにもなるわけです。変化の激しい時代だからこそ、億劫がらずにスピーディーに対応して、どんどん成長していきたいと感じました。