こんにちは、新潟経済社会リサーチセンターの江口です。
本日は、定期的に掲載している「事例で学ぶ!キャッチコピーの作り方」について、ご紹介します。
優れたキャッチコピーは集客や売上アップに大きな影響を与えます。ビジネス心理学講師・酒井とし夫氏が雑誌・新聞・Webサイト・書籍などで見つけたお手本となるキャッチコピーを解説します。コピー作りの参考としてご活用ください。
酒井とし夫先生のワンポイント広告コラム
今回のお手本キャッチコピー
『お叱りのお電話をいただきました。』
このキャッチコピーは新聞広告で見つけたものですが、「いったい、どんなことで叱られたのだろう?」と思わず興味が湧き、広告文章を読んでしまいました。
通常、広告では「良いこと」しか書かれていませんね。だからこのような「マイナス表現」のコピーはよく目立ちます。例えば
「『いいかげんにしろ!』との電話を頂きました。」
「お叱りのお手紙が届きました。」
「お客さまから『がっかりした』と言われたのです。」こんなコピーを広告で見かけたら気になりますよね。
「『いいかげんにしろ!』との電話を頂きました。…あのとき、お客さまが真剣に怒ってくださったので、私たちの目が覚めたのです。長年の慣れに安住していた私たちがお客さまサービスに真剣に取り組むきっかけとなったのです。」
といったストーリ展開なら、キャッチコピーで興味を引いた後で、自社が現在どれほど真剣にお客さまサービスに取り組んでいるのかを説明することができます。
周囲が「良いことしか言わない」のであれば、自社は「マイナス表現」で目立つ、というのも立派な差別化です。
(酒井とし夫(2012)「ワンポイント広告コラム」『センター月報』No.463)
最後に
まさに逆張りの発想ですね。
ウチの商品はいかに優れているのか?を一生懸命にアピールする企業が多い中、あえてマイナス情報を開示することで、お客様の興味を引き、さらには信頼度につなげようというキャッチコピーです。
ただし、あまりテクニックに走り過ぎるのも、どうかと思いますので、あくまでも真摯に伝えることがポイントのような気がします。