「キャッシュレス・消費者還元事業」終了後、県内のキャッシュレス決済の利用状況は?

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

「キャッシュレス・消費者還元事業(以下、キャッシュレス還元事業)」が今年6月末に終了しました。 4月に当センターで実施した「キャッシュレス決済の県内消費者の利用動向についてアンケート調査 」において、同事業の効果もあり県内消費者のキャッシュレス決済の利用が増加したとの調査結果を以前の投稿でご紹介しました。

その後、キャッシュレス還元事業 は終了し9月から「マイナポイント事業」が始まりました。そこで、これらのキャッシュレス決済に関する政策を背景に、足元のキャッシュレス決済の利用状況はどのように変化しているかについて、当センターでアンケート調査を実施しました。本日はその結果の一部をご紹介します。

 

「キャッシュレス還元事業」終了後、キャッシュレス決済が増えたのは3割台半ば

「キャッシュレス還元事業」期間中 (19年10月~20年6月末) と終了後でキャッシュレス決済の利用頻度の変化を尋ねたところ、20年7月以降キャッシュレス決済の頻度が「増えた」「やや増えた」を合わせた『増加派』の割合が36.8%となりました(図表5)。一方、「変わらない」は50.9%、「やや減った」「減った」を合わせた『減少派』は6.3%、「利用していない」は6.0%となりました。

キャッシュレス決済の利用状況について、決済手段別にみてみると、『増加派』の割合は「クレジットカード」(30.1%)で最も高く、以下「QRコード決済(PayPay、LINE Pay等)」(22.3%)、「カード型の電子マネー(Suica、WAON等)」(12.0%)などの順となっています。

当センターでは、キャッシュレス還元事業の期間中の20年4月に「キャッシュレス決済に関するアンケート調査」において、キャッシュレス還元事業終了後のキャッシュレス決済の利用意向を訪ねています。

調査対象などに違いがあるので単純に比較はできませんが、同調査では「増えると思う」「やや増えると思う」を合わせた『増加意向』の割合は25.3%との結果になりました。それに対して、事業終了後である今回の結果では『増加派』が36.8%と10ポイント以上高くなっており、キャッシュレス決済は想定よりも増加したことがうかがえます。

「マイナポイント事業」を『利用意向あり』と回答したのは5割弱

20年9月から「マイナポイント事業」が開始されました。「マイナポイント事業」は、マイナンバーカードを使って予約・申し込みを行ない、選んだキャッシュレス決済サービスでチャージや買い物をすると、利用金額の25%分のポイントがもらえる仕組みとなっています。

現在の申込状況を尋ねたところ、マイナポイントについて「利用する予定であり、申し込み手続きが完了している」「利用する予定であり、申し込み手続き中である」「利用する予定だが、まだ申し込み手続きをしていない」を合わせた『利用意向あり』の割合は48.3%となりました(図表6)。一方、「利用する予定はない」は51.7%となり、利用意向の割合は拮抗しています。

まとめ

今回の調査を振り返ると、「キャッシュレス還元事業」が終了した後も、キャッシュレス決済の頻度について『増加派』の割合が『減少派』を大きく上回っており、キャッシュレス決済の利用比率が高まっていることがうかがえる結果となりました。

キャッシュレス還元事業をきっかけにキャッシュレス決済の利用を増やした消費者のほか、「新型ウイルスの感染対策の一環で利用し始め、キャッシュレス決済への抵抗がなくなった」といった声がきかれるなど、新型ウイルスの影響によりこれまでキャッシュレス決済に抵抗を持っていた消費者の一部で利用が増加しているようです。

「マイナポイント事業」は当初、手続きの煩雑さから敬遠されるとの予想もありましたが、今回の結果からは5割弱が『利用意向あり』と回答するなど、こうした政策の後押しもあり、今後さらにキャッシュレス決済の利用比率の上昇が見込まれます。