3分でわかる!新潟県の設備投資動向

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

経済産業省が「 2019 年上期(1 月~6 月)工場立地動向調査結果 」を発表しました 。この調査は都道府県別の結果も発表されており、新潟県からは 「令和元年上期工場立地動向調査結果(速報) 」が公表されました。

そこで、 今回はこの結果と当センターが実施した「19年下期企業動向調査」の設備投資に対する項目とをご紹介することで、県内企業の設備投資の状況をみていきたいと思います。

 

県内への製造業等の工場立地件数は全国7位

2019年上期 における新潟県の 工場立地件数は23件と全国7位、立地面積については全国12位となっています。18年上期と比べると、件数(前年比▲9件、減少率▲20.7%)、面積(同▲21ha、減少率▲19.9%)ともに減少しているものの、件数について減少率は全国平均(同▲132件、減少率▲19.9%)とほぼ同程度となっています。

前年同期と比較して大幅に減少している要因として、前年の件数・面積が非常に大きかったことがあります。県内における工場立地動向の推移をみると、前年の18年上期は件数、面積ともに突出して多かったことがうかがえる一方、19年上期は過去5年間のなかでは18年上期に次いで多くなっており、水準が高いことがわかります。

設備投資は、概ね横ばいで推移している

次に、当センターが昨年11月上旬から下旬にかけて行なった「2019年下期新潟県企業動向調査(以下、企業動向調査)」から県内企業の設備投資の動向を見ていきたいと思います。「 工場立地動向調査」の調査対象は製造業のみですが、企業動向調査では製造業(全体の41.4%)、非製造業(同58.6%)両方の企業を対象にアンケート調査を行なっています。

企業動向調査によると、 県内企業の19年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は63.6%となり、18年度実績を5.2ポイント上回る見込みとなっています。また、19年度の設備投資額(含む見込み)についても前年度実績比1.8%増となっており、前年度並みで推移する見通しとなっています。

上昇した設備投資目的は「情報化(IT)投資」がトップ

19年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(68.6%)の割合が最も高くなっています。

18年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「既存機械・設備の入れ替え」などが上昇した一方、「生産能力増大のための機械・設備導入」「省力化・合理化」などがやや低下しています。

また、土地の購入を比較してみてみると、18年度(6.0%)と19年度(5.7%)とでほぼ横ばいの割合となっています。

まとめ

「令和元年上期工場立地動向調査」によると、新潟県の工場立地件数は大幅に増加した前年同期との比較では減少しているものの、水準としては高くなっていることがわかりました。一方、「企業動向調査」では設備投資の実施企業割合、設備投資額ともに18年度実績比をやや上回る結果となりました。

これらの結果から、 米中貿易摩擦などによって経済情勢にやや陰りがみえるなかでも、県内企業の設備投資に対する意欲は底堅く推移していることがうかがえます。

ただし、足元では記録的な暖冬少雪による県内産業への影響や新型コロナウイルス感染拡大による輸出の減少などへの懸念の高まりなど、県内経済に一層の不透明感が広がるなか、今後、企業の設備投資意欲に変化がみられるのか注視していきたいと思います。

※企業動向調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2020年2月号」をご覧ください。