事業再構築補助金の事業計画書を作成する際の注意点

新潟経済社会リサーチセンターの江口です。

先日、経済産業省・中小企業庁「事業再構築補助金」の概要や応募・採択状況について、本ブログに投稿いたしました。本日は事業再構築補助金に応募する際に必要となり、採択に大きく関わる「事業計画書」を作成する際に気を付けるポイントについて、ご紹介いたします。

 

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事業計画書を作成する際のポイント

事業再構築補助金とは、新型ウイルスの影響により苦しんでいる中小企業等が思い切った取り組みに挑戦する際に、国が支援する制度でてす。詳しくは、先日の「都道府県別にみた事業再構築補助金の応募・採択状況」の投稿をご覧ください。

この事業再構築補助金に応募する際に必要となるのが、事業計画書です。A4サイズで合計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)で作成するものです。

作成にあたって注意すべき点は数多くあるのですが、本日はこれまでに数々の相談を受ける中で、特に重要だと感じた3つのポイントに絞ってお伝えいたします。

「1.採択事例の分析」

事業再構築補助金のWebsiteには、採択された「事業計画書」の参考事例が公表されています。

参考事例をもとに、まずはどういった項目を、どのような順番で、どの程度の詳しさで作成していくのか、そのイメージを持つことが大切だと思います。様々な業種にわたって掲載されていますし、他社の事業計画書を読むことで、大まかな構成・書き方が理解できるようになります。また、自社の事業計画書に取り入れる部分(デザイン・文章表現・写真や図表の入れ方等)と、取り入れず自分なりの工夫で書き込む部分なども明確になり、とても役立ちます。

「2.できるだけ具体的に記載する」

事業計画書に盛り込む内容については、指定の入力フォーマットは用意されていませんが、記載する項目は「公募要領」に明記されいます。

例えば、事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金 公募要領」(第3回)1.2版(令和3年8月)には、概ね次のような項目が記載されています。

1:補助事業の具体的取組内容

  • 既存事業の状況
  • 強み・弱み、機会・脅威の状況
  • 事業の外部環境分析
  • 事業再構築の必要性
  • 事業再構築(新規事業)の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
  • 新規事業の詳細なスケジュール
  • 新規事業により、他者・既存事業とどのように差別化し競争していくのか、その方法や仕組み、実施体制

2:将来の展望

  • 新規事業の具体的なユーザー
  • 新規事業の市場規模・市場動向
  • 新規事業での価格的・性能的な優位性
  • 収益性・課題やリスクとその解決方法新規事業の事業化見込み(目標となる時期・売上規模)

3.収益計画

  • 新規事業の実施体制
  • 新規事業のスケジュール、
  • 新規事業の資金調達計画
  • 収益計画(表)における「付加価値額」の算出根拠
  • 収益計画(表)で示された数値の長期推移、伸び率の達成状況

このような項目の一つひとつに文章と数字、写真、図表を使いながら、具体的に記載していくこととなります。

経営者の方々の中には、頭の中にイメージができていて口頭で説明はできるものの、文章や数字などで説明するのが苦手なタイプの方もいらっしゃいます。しかし、当然ながら事業計画書の評価・審査はあくまでも書類上でおこなわれます。その際、ざっくりとしたイメージではなく、できるだけ具体的に、数字を使って、固有名詞などもいれながら、第三者が読んでも事業内容が想像できるように分かりやすく記載していくことが求められます。

3.最後の見直し

事業計画書が完成した際には、当たり前ですが今一度、見直すことが大切です。実は、見直すポイントも公募要領に記載されています。それは審査項目の部分です。以下のような審査項目が事業計画書で上手に表現できているのかを確認しながら、事業計画書を修正してみましょう。

例えば、事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金 公募要領」(第3回)1.2版(令和3年8月)には次のように記載されています。

「事業化点」

  • 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)がしっかりしているのか
  • 最近の財務状況等がしっかりしているのか
  • 金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか
  • 競合他社の動向や市場ニーズが把握されいるか
  • 想定ユーザー、市場規模、市場ニーズが明確か、また検証できるか
  • 価格的・性能的に優位性や収益性があるか
  • 今後のスケジュールが妥当か
  • 課題が明確で、その課題の解決方法が明確かつ妥当か
  • 投資に対する費用対効果(付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか
  • 現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用できるか
  • 既存事業とのシナジー効果が期待されるか

「再構築点」

  • リスクの高い、思い切った大胆な事業か
  • 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響が深刻か
  • 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図っているか
  • 先端的なデジタル技術を活用しているか
  • 新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得るか

「政策点」

  • 先端的なデジタル技術の活用・低炭素技術の活用など、我が国の経済成長を牽引し得るか
  • 新型ウイルスの影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資か
  • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化をおこなっているか
  • グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか
  • 地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼし、雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となるか

こういった観点から、事業計画書を見直して表現方法などを変えていくと、読み手にとって、より分かりやすい内容となります。

まとめ

事業計画書の作成については、本日、ご紹介した3つの点以外にも、注意しなければならないポイントは数多くあるのですが、まずはすぐに対応できる点のみをご紹介いたしました。

次回の第4回公募開始は11月中旬~下旬前後とみられます。まだ日数に余裕があるので、しっかりと準備に時間がかけられます。ご興味ある方は、事業再構築補助金のWebsiteで情報収集を進める一方、お近くの金融機関や認定経営革新等支援機関にご相談ください。