県内企業の業況感は10年半ぶりの低水準にまで大幅に悪化(2020年上期企業動向調査)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

当センターでは 県内景気の現状と先行きを探るため、県内企業1,000社に対して年2回、アンケート調査を実施しています。 今回は、5月に行なったアンケート調査 (2020年上期企業動向調査) 結果の一部をご紹介いたします。

 

プレゼン グラフ5

20年4-6月期の業況感はリーマン・ショック後の09年10-12月期の低水準にまで悪化

県内企業の業況判断BSI(「『良い』と答えた企業の割合」-「『悪い』と答えた企業の割合」)は 、20年1−3月期に ▲26.6となりました(図表1)。暖冬少雪であったことから季節商品・サービスが低調となり、19年10−12月期(▲25.5)から1.1ポイント低下しました。続く20年4−6月期(含む実績見込み)は▲52.8となり、同1−3月期と比べて26.2ポイント低下しました。新型ウイルスが大きく影響し、リーマン・ショック後に景気が低迷していた09年10−12月期(▲58.5)以来、10年半ぶりの低い水準となりました。

先行きを示す見通しBSIは20年7−9月期が▲63.9、続く同10−12月期は▲57.9となっており、同4−6月期の実績見込みに比べて一段の悪化が見込まれています。

(図表1)業況判断BSIの推移(全業種)

業況判断BSI

20年度の設備投資額は前年度比17.2%減の見通し

20年度に設備投資を実施する (含む計画) 企業の割合は52.6%となり、19年度実績を12.5ポイント下回る見込みとなりました(図表2)。実施割合を業種別にみると、製造業が62.4%、非製造業が45.5%となっています。

20年度の設備投資額(含む計画)は、19年度実績比17.2%減となり、投資額についても前年度を下回る見通しとなりました。業種別にみると、製造業は同21.6%減、非製造業も同10.4%減と、ともに前年度を下回っており、新型ウイルスの影響による需要の減少や先行き不透明感の高まりから、設備投資に対する慎重な姿勢がみうけられます。

(図表2)設備投資の実施企業割合、設備投資額の前年度比増減率(%)

経営上の問題点では、「先行き見通し難」が調査開始以来、初のトップ

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「先行き見通し難」(60.8%)の回答割合が最も高くなりました。「先行き見通し難」がトップになったのは、 継続的に「経営上の問題点」の調査を開始した1978年5月の調査以来初めてのことです。以下「生産・受注・売上の不振」(56.4%)、「人材不足」(44.3%)などが続いています。

2019年下期調査と比べると、「人材不足」「仕入価格の上昇」などの割合が低下した一方、「先行き見通し難」「生産・受注・売上の不振」などの割合が上昇しています。

まとめ

今回の調査結果をみると、20年4−6月期の「業況感」は新型ウイルスの影響により大幅に低下しました。新型ウイルスの感染拡大は、外出自粛といった需要減少だけでなく、感染防止のための店舗や工場の休業など供給面の制約も加わることで、多くの業種で業況感の悪化がみられています。

先行きを示す見通しBSIはさらなる低下が見込まれています。また、経営上の課題では「先行き見通し難」が最も高くなるなど、不透明感の高まりから慎重な見方が広がっていることがうかがえます。先行きが見通せない状況のなか、企業の設備投資需要も低迷しています。設備投資は経済全体に与える影響が大きいことから、県内経済の下振れが懸念されます。