新潟県内企業の業況感は2期連続で上昇するものの、依然として低い水準 ~企業動向調査 2020年下期~

新潟経済社会リサーチセンターの江口大暁です。

当センターでは景気の現状と先行きを探るため、新潟県内企業1,000社に対して年2回、アンケート調査を実施しています。 今回は、11月におこなったアンケート調査 (2020年下期 企業動向調査) の結果の一部をご紹介いたします。

 

グラフ 日本経済 景気

20年10-12月期の業況感は2期連続で上昇するものの、依然として低い水準

新潟県内企業の業況判断BSI(「『良い』と答えた企業の割合」-「『悪い』と答えた企業の割合」)は 、20年7-9月期に ▲43.7となりました(図表1)。20年4-6月期の▲52.8から9.1ポイント上昇しました。

新潟県景気動向業況感

続く20年10-12月期(含む実績見込み)は▲37.8となり、同7-9月期と比べて5.9ポイント上昇しました。中国向けの輸出が一部で回復してきたことや各種GoToキャンペーン事業などの効果もあり、2期連続で上昇したものの、依然として低い水準にとどまっています。

先行きを示す見通しBSIは2021年1-3月期が▲49.1、続く同4-6月期は▲43.1と、20年10-12月期の実績見込みに比べて悪化が見込まれています。

20年度の設備投資額は前年度比22.1%減の見通し

20年度の設備投資額(含む見込み)は、19年度実績比22.1%減と前年度を下回る見通しとなりました。新型ウイルスの影響による需要の減少や先行き不透明感の高まりから、設備投資に対する慎重な姿勢がみうけられます(図表8)。

設備投資動向 新潟県

業種別にみると、製造業は19年度実績比16.2%減となりました。内訳をみると、鉄鋼、化学のみが増加し、それ以外の業種は減少しています。一方、非製造業は同32.7%減となりました。建設、小売が増加しているものの、運輸、卸売などは減少しています。

規模別にみると、大企業が19年度実績比31.6%減、中堅企業が同19.7%減、中小企業が同19.4%減とすべての規模で減少しており、大企業の落ち込みが特に大きくなっているます。

経営上の問題点では、「生産・受注・売上の不振」が9期ぶりにトップ

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「生産・受注・売上の不振」(58.9%)と「先行き見通し難」(55.6%)の割合が特に高くなりました(図表9)。このうち、「生産・受注・売上の不振」は2016年5月の調査以来、9期ぶりにトップとなりました。20年上期調査と比べると、「先行き見通し難」「取引先の経営不振」などの割合が低下した一方、「競争・競合激化」などの割合が大幅に上昇しました。

経営上の問題点

回答企業からは以下の声がありました。「新型ウイルスの影響で訪問による営業活動が制限されているため、新規案件の打ち合わせが難しい状況が続いている」(精密機械)、「業務用の調理器具の売上が不振となっている」(金属製品)、「新型ウイルス感染拡大に伴う各種イベントの中止により、売上高が減少している」(小売)、「新型ウイルス感染拡大により、工事の中止、遅延、資材の納入遅れ等が発生したため、業況の悪化がみられる」(建設)、「新型ウイルス感染症により、ビジネス客、旅行客、レジャー客等が減少した影響でホテルなどに対する清掃業務の売上高が減少した」(サービス他)といった売上の不振に関する回答が多く寄せられています。

まとめ

今回の調査結果をみると、20年7-9月期、同10−12月期の「業況感」は2期連続で上昇となったものの、依然として低い水準が続いています。

先行きを示す見通しBSIは悪化が見込まれており、経営上の問題点でも「生産・受注・売上の不振」が2016年5月の調査以来、9期ぶりにトップとなるなど、依然として厳しい状況が続いていることがうかがえます。

足元では、緊急事態宣言が再発出されている地域があるなかで、新型ウイルスによる影響の長期化が予想されることなどから、県内経済の本格的な回復には相応の時間を要すると思われます。

なお、調査の詳細については、「センター月報2月号」をご覧ください。

新潟県 企業動向 調査概要