新型ウイルスの影響により「ボーナス支給予想」は大幅に低下(2020年冬期消費動向調査)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

当センターでは県内の消費マインドを探るために新潟県内の勤労者400人に対してインターネットによるアンケート調査(2020年冬期消費動向調査)を実施しました。今回は9月に行なったアンケート調査結果の一部をご紹介いたします。

※なお、前回調査(4月に実施した「2020年夏期消費動向調査」)から調査方法、調査の回答者数などを変更したため、調査結果に不連続が生じています。よって、過去調査との比較は参考値となることにご注意ください。

 

収入は横ばいとなり、低水準での推移が続く

アンケート調査では、現在の収入が半年前と比べてどのように変わったか、またこれからの半年間はどのように変わると思うかを「1.増えた(増えそう)」「2.変わらない」「3.減った(減りそう)」の3つの選択肢から該当する番号を選んでもらっています。

このうち、「増えた」と回答した割合から「減った」と回答した割合を差し引いて算出した今回の収入CSIは「▲23.2」となりました(図表1)。前回調査(20年夏期消費動向調査)と比べると、収入CSIは横ばいとなりました。収入CSIの「▲23.2」という水準は、リーマン・ショック後に収入が低迷していた10年夏の調査(▲31.1)以来の水準となっています。前回調査で大幅に低下した収入CSIは今回調査においても持ち直しがみられず、低い水準での推移が続いているとの結果となりました。

収入が低水準で推移している要因としては、やはり新型ウイルスの影響による収入状況の悪化が大きいようです。回答者からは「新型ウイルスの影響によって勤務先で一時帰休が実施され、週休3日になったことに伴って給料が減少した」「勤務先の業績悪化から基本給が減額となった」といった声が多数寄せられました。

なお、先行きの見通しを示す収入予想CSIは「▲24.5」と足元の収入CSIと比べて1.3ポイント低下となっており、この先半年間の収入についても引き続き横ばいで推移するとの見通しが示されています。

消費支出は過去最低水準での推移が続くものの、3期ぶりに上昇

足元の消費を示す消費支出CSIは「▲3.5」となりました(図表2)。前回調査では、継続的に消費支出CSIの調査を開始した1988年冬の調査以来、最も低く(▲10.0)となりましたが、その水準と比べると6.5ポイント上回り3期ぶりの上昇となりました。

回答者からは「外食など出かける機会が徐々に増えて、支出は半年前より増えている」のように外出自粛を緩めた結果、支出が増えたという声も聞かれました。その一方で、「夏の賞与がなくなったので、お金を使う機会を減らしている」など、新型ウイルスの影響から減少した収入状況を考慮し、節約を意識しているとの意見も寄せられました。また、「外食費や交際費は減ったが、日用品や衛生用品への支出は増えた」といった消費支出の総額は変わらないものの、新型ウイルスの影響によって生活が変化したことに伴って、支出の内訳が変わったとの声も多くあげられました。

なお、先行きの見通しを示す消費支出予想CSIは「▲5.8」となりました。足元のCSIと比べて2.3ポイント低くなっており、先行きの消費支出にはやや消極的な姿勢がうかがえます。

ボーナスの支給予想は10年冬の調査以来の水準にまで低下

アンケートでは、今年の冬のボーナスについて、昨年の冬と比べてどのように変わると思うかを「1.増えそう」「2.変わらない」「3.減りそう」「4.ボーナス支給はない」の4つの選択肢の中から選んでもらっています。

このうち、今冬ボーナス支給があると回答した人を対象に「増えそう」と回答した割合から「減りそう」と回答した割合を差し引いて算出した今回のボーナス支給予想CSIは「▲32.5」となりました(図表8)。19年冬の調査と比べると23.5ポイント下回り、10年冬の調査(▲36.0)以来の低い水準となりました。

続いて、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が67.1%と最も高くなりました。この結果は、調査方法は異なりますが1975年夏の調査開始以来、過去最高水準となった88年冬の調査(67.1%)と同じ水準となっています。年代別にみると、全ての年代で「預貯金等」の割合が最も高くなっており、特に30代と40代では71.9%と7割を超えています。

まとめ

今回の調査結果をみると、新型ウイルスの影響によって「収入」が低水準のまま横ばいで推移する一方、「消費支出」は3期ぶりに上昇しました。自宅で過ごす時間を充実させるための支出が増加したことのほか、段階的ではありますが徐々に外出を伴うレジャーなどを再開させる動きが出てきたことが要因と考えられます。

ただし、先行きの「消費支出」は足元に比べて低下し、ボーナスの使途では「預貯金等」の割合が過去最高水準に上昇するなど、家計の防衛意識の高まりもみられています。また、本格的な冬を前に足元では県内を含む国内で感染者数が増加し、「第3波」を懸念する声が高まるなか、個人消費の回復は緩やかなものにとどまることが予想されます。

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報12月号」をご覧ください。

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本調査はインターネットによる調査で実施しました。新潟県内でウェブ調査の実施に関心のある方は、「新潟県内でインターネット調査(オンラインリサーチ・Web調査)をお考えの方へ 」をご覧ください。