新型ウイルスの影響により、県内勤労者の「収入」「消費支出」は大きく低下(2020年夏期消費動向調査)

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

当センターでは、県内の消費マインドを探るために新潟県内の勤労者400人に対してアンケート調査(2020年夏期消費動向調査)を実施しました。 今回は、4月に行なったアンケート調査結果の一部をご紹介いたします。

※なお、今回の調査は調査方法、調査の回答者数などを変更したため、調査結果に不連続が生じています。よって、過去調査との比較は参考値となることにご注意ください 。

 

収入は10年夏の調査以来の水準にまで大きく低下

アンケート調査では、現在の収入が半年前と比べてどのように変わったか、またこれからの半年間はどのように変わると思うかを「1.増えた(増えそう)」「2.変わらない」「3.減った(減りそう)」の3つの選択肢の中から該当する番号を選んでもらっています。

このうち、「増えた」と回答した割合から「減った」と回答した割合を差し引いて算出した今回の収入CSIは「▲23.2」となりました(図表1)。19年冬の調査と比べると、収入CSIは22.3ポイント下回り、リーマン・ショック後に収入が低迷していた10年夏の調査(▲31.1)以来の水準にまで低下しました。

 

回答者からは「新型ウイルスの影響で仕事が全くなくなり、収入が減った」「働き方改革による残業削減で残業代を見込めなくなった」といった声が寄せられました。

なお、先行きの見通しを示す収入予想CSIは「▲32.5」と、足元のCSIと比べて9.3ポイント低くなっており、この先半年間の収入について一層慎重な見方をしていることがうかがえます。

消費支出は急速に低下し、過去最低水準に

足元の消費を示す消費支出CSIは「▲10.0」となりました(図表2)。19年冬の調査と比べると、34.4ポイント下回り、継続的に消費支出CSIの調査を開始した1988年冬の調査以来、最も低い水準となりました。

 

回答者からは「新型ウイルスの影響で自宅にいることが多くなり、食費や光熱費が増えている」との声があった一方、「消費増税後は外食や買い物を控えている」「新型ウイルスの影響で外出の予定が減り、支出が少なくなっている」などの声が聞かれました。消費増税後の節約志向の高まりに加え、新型ウイルスの感染防止から外出ができなくなったことも消費支出の減少に繋がったと考えられます。

先行きの見通しを示す消費支出予想CSIは「▲25.2」となりました。足元のCSIと比べて15.2ポイント低下しており、先行きの消費支出についても一段と減少する見込みとなっています。

夏のボーナスの支給予想は11年夏の調査以来の水準にまで低下

アンケート調査では、今年の夏のボーナス支給額について、昨年の夏と比べてどのように変わると思うかを「1.増えそう」「2.変わらない」「3.減りそう」「4.ボーナス支給はない」の4つの選択肢の中から選んでもらっています。

このうち、 今夏にボーナス支給があると回答した人を対象に、 「増えそう」と回答した割合から「減りそう」と回答した割合を差し引いて算出した今回のボーナス支給予想CSIは「▲30.0」となりました(図表7)。19年夏の調査と比べると23.4ポイント下回り、11年夏の調査以来の低水準となりました。

 

ボーナスの使い途では「旅行・レジャー」が大幅に低下

続いて、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が59.1%と最も高くなりました。以下「買い物」(27.0%)、「生活費の補填」(26.6%)などの順となっています。

前年同期に行なった調査(19年夏期調査)と比べると、「預貯金等」や「買い物」などの割合が上昇した一方、「旅行・レジャー」が大きく低下しており、ここでも新型ウイルスによる影響がみられます。

まとめ

今回の調査結果をみると、「収入」や「ボーナス支給予想」は、新型ウイルスの影響によって大きく低下しました。また、収入の低下や消費行動の抑制を背景に、「消費支出」も急低下となりました。

緊急事態宣言が解除され、経済活動は徐々に再開されています。ただし、足元では首都圏を中心に感染者数が増加しつつあるなか、外出を伴う消費行動は抑制傾向が続くとみられることから、個人消費は当面、弱い動きが続くことが予想されます。

※本調査に関する詳しい内容については、当センターの機関誌「センター月報2020年7月号」をご覧ください。