2021年9月の新潟県経済

弊社では毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標をもとに、県内の景気動向を簡潔にまとめています。 本日は以下のとおり、2021年9月の基調判断をご紹介します。

 

新潟県 景気 経済 見通し

基調判断

一部に弱さがみられるものの、持ち直している
~感染状況の落ち着きから、下振れ懸念はやや後退している~

概況

生産活動は持ち直している。個人消費は持ち直しの動きが鈍化しており、設備投資と住宅投資、公共投資は下げ止まっている。総じてみると、県内経済は一部に弱さがみられるものの、持ち直している。

生産活動~持ち直している~

7月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比2.5%低下して99.5となった。出荷 指数は同0.4%低下して99.2となった。在庫指数は同0.7%低下して88.9となった。

汎用・生産用・業務用機械や化学は海外向けが増加しており、回復しつつある。金属製品は原材料不足などにより一部で生産が滞っているものの、アウトドア関連用品や建設用金属製品が好調であり、前年を上回っている。食料品は業務用が低調である一方、量販店向けなどは底堅い動きが続いていることから、横ばいで推移している。一方、輸送機械は感染者拡大を背景とした海外工場の停止や半導体不足などの影響から、生産調整の動きがみられる。

2021年7月鉱工業生産指数

設備投資~下げ止まっている~

製造業では、既存機械・設備の更新や省力化・合理化を目的とした投資を中心に、投資が増加している。非製造業では、運輸やサービスで前年の大型投資の反動がみられるほか、業況の厳しさから投資に対する慎重姿勢が続いており、投資額は前年を下回っている。

8月の非居住用建築物着工床面積は前年比28.3%減となり、2カ月ぶりに前年を下回った。

2021年非居住用建築物着工床面積

雇用状況~持ち直しの兆しがみられる~

8月の有効求人倍率(パートタイム含む全数・季節調整済)は前月比0.03ポイント 上昇し、1.40倍となった。

8月の新規求人数(同・実数)は前年比11.5%増となった。製造業や医療・福祉 などの増加により、6カ月連続で前年を上回った。

2021年8月住宅投資

個人消費~持ち直しの動きが鈍化している~

8月の小売業販売額¹は前年比4.3%減となった。ホームセンターや家電大型専門店などの減少により、2カ月ぶりに前年を下回った。一方、外食や旅行などのサービス消費は弱い動きが続いている。

9月の乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は前年比37.2%減となり、4カ月連続で前年を下回った。

¹ 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

2021年8月小売業販売額

住宅投資~下げ止まっている~

8月の新設住宅着工戸数は前年比9.0%増となった。貸家などの増加により3カ月連 続で前年を上回った。

2021年8月住宅投資

公共投資~下げ止まっている~

8月の公共工事請負金額は市町村などの発注が増加したことから、前年比16.4%増 となり、2カ月ぶりに前年を上回った。

2021年8月住宅投資

先行き

新潟県が公表している景気動向指数(先行指数・3カ月後方移動平均)をみると、2020年春を底に上昇基調となっていることから、県内経済は持ち直していくとみられます。

生産活動は海外からの受注が回復しており、持ち直しが予想されます。ただし、木材や金属など一部原材料が調達しづらくなっているほか、半導体不足などを背景に、生産調整の動きが広がることが懸念されます。

個人消費は食料品や日用品の底堅い需要が見込まれます。一方、感染拡大の状況次第で消費者の行動が慎重となることから、外食や旅行などサービス消費は下押し圧力が強い状況が続くと思われます。ただし、「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」が政府から示されており、今後、行動制限の緩和が進むことになれば、個人消費の改善に向けた動きも見込まれます。