2021年7月の新潟県経済

新潟経済社会リサーチセンターの近です。

弊社では毎月、新潟県経済の基調判断を発表しています。独自に行っている県内の企業様へのヒアリング調査やアンケート調査と、毎月発表される経済指標をもとに、県内の景気動向を簡潔にまとめています。 本日は以下のとおり、2021年7月の基調判断をご紹介します。

 

新潟県 景気 経済 見通し

基調判断

一部に弱さがみられるものの、持ち直している

~持ち直しているものの、足元で感染者数が増加しており、下振れリスクが懸念される~

概況

生産活動は持ち直している。個人消費は持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられ、設備投資は下げ止まっている。一方、住宅投資は弱含んでいる。総じてみると、県内経済は一部に弱さがみられるものの、持ち直している。

生産活動~持ち直している~

5月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比1.5%低下して97.3となった。出荷指数は同4.6%低下して97.8となった。在庫指数は同0.7%低下して89.4となった。 汎用・生産用・業務用機械や化学は海外からの受注が増加しており、回復しつつある。金属製品は作業工具が好調となっているほか、建設需要の改善傾向をうけて建設用金属製品が持ち直しており、堅調に推移している。食料品は量販店などでまとめ買いの動きが落ち着くなか、業務用の落ち込みが続いており前年を下回っている。一方、輸送機械は需要が堅調であるものの、半導体不足の影響などから生産調整の動きがみられる。

設備投資~下げ止まっている~

当センターが5月に実施した企業動向調査によると、2021年度の設備投資額は、20年度実績比0.7%増となった。

製造業では、既存機械・設備の更新や省力化・合理化を目的とした投資を中心に、投資が増加している。

非製造業では、運輸やサービス他で前年の大型投資の反動がみられるほか、業況の厳しさから投資に対する慎重姿勢が続いており、投資額は前年を下回っている。

6月の非居住用建築物着工床面積は前年比13.5%減となり、2カ月ぶりに前年を下回った。

雇用状況~ 持ち直しの兆しがみられる ~

6月の有効求人倍率(パートタイム含む全数・季節調整済)は前月比0.05ポイント上昇し、1.35倍となった。

6月の新規求人数(同・実数)は前年比10.9%増となった。製造業や建設業などの増加により、4カ月連続で前年を上回った。

個人消費~ 持ち直しつつあるものの、一部に弱さがみられる ~

6月の小売業販売額 ¹ は前年比4.1%減となった。家電大型専門店やホームセンターなどの減少から、4カ月ぶりに前年を下回った。一方、外食や旅行などのサービス消費は行政の需要喚起策による一定の効果がみられるものの、感染者数の増加から弱い動きが続いている。

7月の乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は前年比14.1%減となった。半導体の不足などから納車に遅れが生じており、2カ月連続で前年を下回った。

¹ 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

住宅投資~弱含んでいる~

6月の新設住宅着工戸数は前年比13.4%増となった。貸家などの増加により、4カ月ぶりに前年を上回ったものの、4-6月期では前年比6.0%減となり、基調としては弱含んでいる。

公共投資~下げ止まりつつある~

6月の公共工事請負金額は前年比39.3%増となった。独立行政法人等や国などの発注が増加したことから、2カ月連続で前年を上回り、4-6月期では前年比4.4%増と、下げ止まりつつある。

最後に

新潟県経済は持ち直しの動きが続いています。公共投資はこれまで弱い動きが続いていましたが、政府の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に伴い、国などから発注が増加しており、下げ止まりつつあります。

また、7月前半頃までは 「県民向け宿泊割引キャンペーン」 や「Go To イート」のプレミアム付き食事券など、観光関連や飲食店の需要喚起策の効果もあり、サービス業の方々から「客足が少しずつ戻ってきている」との声が聞かれていました。ただ、県内でも感染者数の増加が顕著となってきた7月後半以降、その動きは鈍化しているようです。8月10日からは新潟市内の飲食店等に対し、2度目となる時短営業が要請されるなど、サービス業の業況悪化が懸念されます。

全国的に感染者数が急増するなか、経済活動への制約が一段と強く課されることも考えられます。県内経済は下振れリスクが高まっていると言えるでしょう。